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相続放棄をした者であっても,
賦課期日である1月1日現在において,不動産の所有者として,登記簿に登記または台帳に登録されている者は,
固定資産税の納税義務者に該当し,納税義務を免れません。
(例)平成26年12月25日に相続人Aは相続放棄の申述をしたが,
平成27年1月10日に相続放棄が受理された場合。
相続放棄をした者であっても,平成27年度の1年限りではありますが,固定資産税の納税義務があります。
もし,平成26年12月31日までに相続放棄が受理された場合は,固定資産税の納税義務はありません
ただし,前順位相続人Zの相続放棄の申述受理が,平成25年12月31日までにされていた場合で,相続人Aが平成26年10月1日になって自己が相続人となったことを知ったような場合は,平成26年分の固定資産税を課税される可能性があります。
市町村は,
賦課期日である1月1日現在の不動産の所有者に対して,
固定資産税を課税する義務があり,
法律に課税を減免する規定がない以上,相続放棄をした者であったとしても,課税しないことが許されていないことが原因のようです。
課税もれによる市民オンブズマンの責任追及訴訟リスクも影響しているかもしれません。
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兵庫県相生市のHPには,下記の表示があります。
固定資産税のご案内
http://www.city.aioi.lg.jp/soshiki/zeimu/koteishisanzei.html
!賦課期日後に「相続放棄」が行われた場合においても、賦課期日現在にされた賦課処分は適法であり、1月1日現在の法定相続人が納税義務者(その年度分の固定資産税等が全額課税されます。)となります。
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平成25年(行ヒ)第35号固定資産税等賦課取消請求事件
平成26年9月25日最高裁判所第一小法廷判決
によると,
賦課期日である1月1日に,不動産の所有者として登記または登録されていなくても,
賦課期日現在,不動産が存在し,不動産の所有者である者は,
賦課期日後に不動産の所有者として登記または登録された場合でも,
賦課期日に係る年度の固定資産税の納税義務者になります。
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川崎市課税処分取消請求事件は,
債権者代位の法定相続の登記によって,不動産の所有者として登記された原告が,
相続放棄をしたことにより,登記が無効になったとして,川崎市の固定資産税の課税処分の取消訴訟を提起しました。
平成11年(行ウ)第47号 川崎市課税処分取消請求事件
平成12年2月21日横浜地方裁判所判決(未公刊)
請求棄却
賦課期日である1月1日において,原告は不動産の所有者として登記されているので,
賦課期日後に相続放棄が受理されたとしても,
台帳課税主義により,登記されている原告を納税義務者としなければならず,
また,原告の課税額を減免する旨の法律上の規定はない。
原告が相続財産法人から納税額分を回収することが,事実上困難であるということは,立法段階で当然に予想できるところ,法律が特段の措置を講じていない以上,台帳課税主義の例外を認めることはできない。
よって,本件訴えを棄却する。
平成12年(行コ)第127号 川崎市課税処分取消請求控訴事件
平成12年7月11日東京高等裁判所判決(未公刊)
控訴棄却
平成12年(行ツ)第307号 川崎市課税処分取消請求上告事件
平成12年12月8日最高裁判所決定(未公刊)
上告棄却
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家事審判法
第十三条
審判は、これを受ける者に告知することによつてその効力を生ずる。但し、即時抗告をすることのできる審判は、確定しなければその効力を生じない。
家事事件手続法
(「相続放棄と固定資産税」 瀧澤 八重子 月報司法書士2014年11月号80頁参照)