不動産を売却し,売却代金2200万円をもって被相続人の信用金庫に対する債務を弁済した。
被告の不在者財産管理人の売却行為が,被告の法定単純承認にあたるので,
被告の相続放棄は無効となり,原告の貸金請求が認容された事例。
<疑問点>
債務者Bの債務を弁済する必要性があったことは読み取れました。
債務者Bの親族が連帯保証人や物上保証人になっていて,どうしても不動産を売却し弁済する必要があったのでしょうか?
素人が不在者財産管理人となっていることから,やはり原告からの貸金請求については認識がなかったのでしょう。
被告は借金のため失踪しましたが,結局,借金を背負うことになったという運命は世の条理でしょうか?
個人が債権者の場合は,執念深く法的責任を追及してくる可能性が高いということは,あたまの片隅に入れておく必要があります。
事案からは不明ですが,債権者は被告にお金を貸していたが,被告は失踪したので許せないとかそういう理由もありそうな気がします。
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事件番号
平成26(ネ)148
事件名
貸金請求控訴事件
裁判年月日
平成26年9月18日
裁判所名・部
名古屋高等裁判所 民事第3部
結果
棄却
原審裁判所名
名古屋地方裁判所
原審事件番号
平成25(ワ)1293
原審結果
判示事項の要旨
不在者財産管理人が,不在者が相続した財産を家庭裁判所の許可を得て売却した行為が,不在者にとって,民法921条1号の単純承認に当たるため,後に,不在者が相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にした相続放棄は無効であるとされた事例
別紙として名古屋地方裁判所の判決も添付されています。
最高裁判所HP