ブログ記載時の法律に基づいています。具体的な事件については,必ず専門家にご相談ください。 司法書士・行政書士・社会保険労務士 石原拓郎
2019年2月12日火曜日
法定相続情報一覧図は住民票の除票
(1)
法定相続情報一覧図は,原則として,
被相続人の住所を証明する書類として,
被相続人の住民票の除票を添付させる。
戸籍の附票は,住民票の除票を取得できない場合の二次的書類としている。
(2)
なお,家庭裁判所の遺言書の検認の申立書や相続放棄の申述書の添付書類は,
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票となっており,
住民票の除票と戸籍の附票のどちらでもOKとなっている。
(3)
被相続人の最後の住所と最後の本籍が異なる場合において,
被相続人の死亡時の戸籍謄本を取得する際,同時に戸籍の附票も請求した方が簡便といえるが,
法定相続情報一覧図は,なぜか原則として住民票の除票の添付を求めているので注意する。
(住民票の除票の方が,戸籍の附票よりも記載事項が多いので情報量があるからかな??)
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2019年2月8日金曜日
東京家庭裁判所 法定相続情報一覧図
相続放棄について,
東京家庭裁判所は「法定相続情報一覧図」を利用できます。
(1)
平成29年5月29日(月)から,全国の登記所(法務局)において,「法定相続情報証明制度」が始まり,「法定相続情報一覧図」を発行してくれるようになりました。
相続放棄の際には,被相続人及び申述人の戸籍謄本,被相続人の住民票の除票(戸籍の附票)を添付する必要があります。
本日,東京家庭裁判所に電話したところ,
相続放棄の添付書類として,「法定相続情報一覧図」を添付した場合は,
被相続人及び申述人の戸籍謄本,被相続人の住民票の除票(戸籍の附票)は
不要との回答がありました。
添付書類は,「法定相続情報一覧図」で,すべて代替できるとのことでした。
(2)
なお,法務局は,第1順位の法定相続人に関する「法定相続情報一覧図」しか発行してくれませんので注意が必要です。
(例) 被相続人甲には,妻Aと子B,父Cと母Dがいる場合において,
第1順位の法定相続人である妻Aと子Bが相続放棄をする際は,
法定相続情報一覧図を利用できますが,
第1順位の法定相続人全員の相続放棄により,次順位の父Cと母Dが相続放棄をする際は,
法務局が法定相続情報一覧図を発行してくれませんので,
法定相続情報一覧図は利用できません。
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2019年1月24日木曜日
弁護士法72条に違反して代理人が締結した契約の効力
最高裁平成29年7月24日第一小法廷判決(民集第71巻6号969頁)
判示事項
認定司法書士が弁護士法72条に違反して締結した裁判外の和解契約の効力
裁判要旨
認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが弁護士法72条に違反する場合であっても,当該和解契約は,その内容及び締結に至る経緯等に照らし,公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り,無効とはならない。
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上記最判について,調査官解説(中野琢郎「最高裁 時の判例 IX」173頁)によりますと,
「弁護士法72条に違反して,弁護士でない者が代理人として締結した契約の効力については,無効とならないとする説(非無効説)と無効になるとする説(無効説)がある。
非無効説は,弁護士法72条に違反して締結された委任契約の効力と,当該委任契約を締結した非弁護士が委任者を代理して締結した契約の効力とは,別個に判断されるべきものであるという見解であり,最三小判昭和46・4・20の評釈等において示されている考え方である・・・」
「・・・本判決は,非無効説に立っているものと思われる。」
とのことです。
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本件は,代理人司法書士が弁護士法72条に違反して裁判外の和解契約を締結した事例でしたが,
(立場が反対の事例で)
代理人司法書士(弁護士法72条に違反していない簡裁代理権の範囲内)は,
弁護士法72条に違反する業者と裁判外の和解契約をすることがないように留意する必要があります。
(仮に,裁判外の和解契約の効力が無効にならないとしても,当然ながら懲戒処分の対象になりますので。)
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借地借家法の本
「澤野 順彦 『論点 借地借家法』 青林書院 2013年」
を札幌のジュンク堂で購入。
出版社の青林書院のホームページでは品切れ,
アマゾンでは,中古本が定価の5倍で出品されている状態。
たまたまジュンク堂の本棚に置いてあったのを発見し,多少逡巡するも購入。
いつか買おうと思っていたら,あっという間?に品切れになり,買えなくなっていたところ,
ちょうど仕事の都合もあり,購入を決断。
「あとがき」を読むと,澤野先生は定期借家制度に反対で,国会で参考人として意見陳述を行ったとのこと。
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2019年1月16日水曜日
法定相続情報一覧図を作成できない場合
(1)本日,某法務局の出張所に電話で確認しましたが,
相続放棄により,次順位者が相続人になる場合は,
法定相続情報一覧図は作成できない,とのことです。
(2)(例)被相続人Aには,相続人として子Bがいるが,
子Bが相続放棄をしたことにより,直系尊属である被相続人Aの父Cと母Dが相続人になった場合。
この場合は,父と母が相続人となる法定相続情報一覧図は作成できません。
(3)あくまで法定相続情報一覧図は,相続証明書となる戸籍謄本の代替物であって,
相続放棄は,戸籍に記載がされないため,法務局は相続放棄について審査ができません
(相続人の中に相続放棄者がいても,相続人として記載させ,相続放棄の冠記はさせない取り扱いです。)。
よって,次順位者が相続人になるような相続については,法定相続情報一覧図は作成できません。
法定相続情報一覧図における「法定相続」とは,「第1順位」の法定相続のみを指すことになります。
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