Aが2000株,Cが1000株を所有していたが,
Aが死亡し,2000株について,法定相続分である2分の1の割合で,Bと被上告人が共同相続した(準共有となった。遺産分割は未了。)。
被上告人は上告人の臨時株主総会の前において,臨時株主総会における準共有株式の議決権の行使を拒否していた。
上告人の臨時株主総会において,Cが議決権を行使し,Bが準共有株式2000株の全部について議決権を行使した。
準共有者からの会社法106条本文の指定及び通知が欠けていたが,上告人はBの議決権の行使について,会社法106条ただし書の同意をした。
被上告人は,上告人に対して,決議の方法等に法令違反があるとして,臨時株主総会の決議取消しの訴えを提起した。
最高裁は,
①共有株式の議決権行使は,特段の事情がない限り,管理に関する行為として,民法252条本文により,各共有者の持分の価格に従い,その過半数で決すると判断し,
②共有株式の議決権行使について,共有者の持分の価格に従った過半数の決議がなければ,株式会社が会社法106条ただし書の同意をしても適法ではないと判断し,
本件事案では,Bが2000株ついて過半数に満たない2分の1しか準共有持分を有していなかったことから,Bの2000株の議決権行使が不適法となり,決議の方法が法令に違反するとして,臨時株主総会の決議を取り消した原審の判断を是認しました。
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事件番号
平成25(受)650
事件名
株主総会決議取消請求事件
裁判年月日
平成27年2月19日
法廷名
最高裁判所第一小法廷
裁判種別
判決
結果
棄却
判例集等巻・号・頁
原審裁判所名
東京高等裁判所
原審事件番号
平成24(ネ)5048
原審裁判年月日
平成24年11月28日
判示事項
裁判要旨
1 共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま権利が行使された場合における同条ただし書の株式会社の同意の効果
2 共有に属する株式についての議決権の行使の決定方法
2 共有に属する株式についての議決権の行使の決定方法
参照法条
全文
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