②簡易裁判所の訴状及び答弁書の作成
③簡易裁判所の訴訟代理(訴額が140万円以内に限る)
を承っております。
札幌市中央区 石原拓郎 司法書士・行政書士・社会保険労務士事務所
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/
TEL:011-532-5970
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
18条:簡易裁判所に訴えを提起した場合であっても,裁判所の裁量によって,地方裁判所に移送されることがあります。複雑難解な事件については慎重な審理判断が要されるところ,簡易裁判所の簡易な手続での審理判断には適さないからです。
19条2項:不動産に関する訴訟については,被告が地方裁判所への移送を申立てた場合は,自動的に簡易裁判所から地方裁判所へ移送されます。
なお,退去及び明渡しの請求は不動産に関する訴訟に該当しますが,滞納賃料の請求,敷金返還の請求及び原状回復費用の請求は不動産に関する訴訟には該当しません。
270条:簡易裁判所は地方裁判所と比較して,簡易な手続によるとの原則を示した規定です。
271条:実務としては,書面(訴状)の提出によって,訴えを提起するのが原則です。
272条:紛争の要点を明らかにすれば必要最小限の要件を満たすことになります。しかし,できるだけ原告に有利な判決をもらうためには,請求の原因を記載した方がよいでしょう。
273条:実務上は,この規定が適用されることはほとんどありません。いきなり簡易裁判所に出頭されても裁判所が執務上対応できないからです。
274条:被告の反訴が地方裁判所の管轄に属する場合において,原告の同意があれば,本訴(原告が簡易裁判所に提起した訴え)も反訴と同一の地方裁判所に移送されます。
275条:簡易裁判所では,訴訟だけでなく,和解(裁判所における話し合い)についても取り扱っています。債務名義を得るために,訴えの提起前の和解が利用されることがあるようです。例えば,建物の賃貸借契約において,賃料滞納による解除条項及び解除された場合における明渡しの合意条項を内容とする和解をすることで,解除された場合は判決を得ることなく,直ちに強制執行の申し立てをすることができるようになります。
275条の2:金銭の支払請求について,被告が原告の主張を争わない場合は,裁判所は裁量で,①5年以内の範囲で期限を猶予し,分割払いの定めをすること,②分割払いの場合は期限の利益喪失の定めをすること,③期限の猶予の定めにしたがって支払った場合,又は,分割払いの定めにしたがって支払った場合には,訴え提起後の遅延損害金を免除する旨の定めをすることを内容とする,和解に代わる決定をすることができます。
ただし,原告及び被告は,決定の告知を受けた日の翌日から2週間以内に,その決定した裁判所に対して異議を申し立てることで,和解に代わる決定の効力を喪失させることができます。その場合は,従前の裁判手続を続行することになります。
和解に代わる決定は異議の申し立てがない場合,裁判上の和解と同一の効力を有することになります。
276条:簡易裁判所では,口頭弁論についても,書面で準備する必要がないとされています。したがって,裁判期日において口頭で陳述すれば足りることになります。
しかし,相手方が裁判期日に欠席した場合は,口頭での陳述ができませんので,やはり書面を作成して裁判所及び相手方に送達しておくべきでしょう。
277条:簡易裁判所では,書面をあらかじめ裁判所に提出しておけば,続行の裁判期日を欠席した場合であっても,裁判所は書面の記載内容を陳述したとみなすことができます。
なお,原告及被告の両方が欠席した場合は,裁判期日を開くことができませんので,陳述したとみなされることはありません。
278条:簡易裁判所では,当事者本人についても書面による尋問が認められています。
279条:簡易裁判所の訴訟では,司法委員が和解を補助すること又は審理に立ち会うことが認められています。司法委員は,不動産鑑定士・公認会計士・医師・建築士などの専門家が就任していることがあります。
280条:簡易裁判所の判決書は,簡略化することが認められています。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
民事訴訟法
(平成八年六月二十六日法律第百九号)
第十九条 第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又はその申立てが、簡易裁判所からその所在地を管轄する地方裁判所への移送の申立て以外のものであって、被告が本案について弁論をし、若しくは弁論準備手続において申述をした後にされたものであるときは、この限りでない。
2 簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。
第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則
第二百七十四条 被告が反訴で地方裁判所の管轄に属する請求をした場合において、相手方の申立てがあるときは、簡易裁判所は、決定で、本訴及び反訴を地方裁判所に移送しなければならない。この場合においては、第二十二条の規定を準用する。
2 前項の和解が調わない場合において、和解の期日に出頭した当事者双方の申立てがあるときは、裁判所は、直ちに訴訟の弁論を命ずる。この場合においては、和解の申立てをした者は、その申立てをした時に、訴えを提起したものとみなし、和解の費用は、訴訟費用の一部とする。
第二百七十五条の二 金銭の支払の請求を目的とする訴えについては、裁判所は、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、被告の資力その他の事情を考慮して相当であると認めるときは、原告の意見を聴いて、第三項の期間の経過時から五年を超えない範囲内において、当該請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをして、当該請求に係る金銭の支払を命ずる決定をすることができる。
3 前項に規定する事項は、相手方が在廷していない口頭弁論においては、準備書面(相手方に送達されたもの又は相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出されたものに限る。)に記載し、又は同項の規定による通知をしたものでなければ、主張することができない。
民事訴訟規則(平成八年十二月十七日最高裁判所規則第五号)
第七章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則
(反訴の提起に基づく移送による記録の送付・法第二百七十四条)
第百六十八条 第九条(移送による記録の送付)の規定は、法第二百七十四条(反訴の提起に基づく移送)第一項の規定による移送の裁判が確定した場合について準用する。
(訴え提起前の和解の調書・法第二百七十五条)
第百六十九条 訴え提起前の和解が調ったときは、裁判所書記官は、これを調書に記載しなければならない。
(証人等の陳述の調書記載の省略等)
第百七十条 簡易裁判所における口頭弁論の調書については、裁判官の許可を得て、証人等の陳述又は検証の結果の記載を省略することができる。この場合において、当事者は、裁判官が許可をする際に、意見を述べることができる。
(書面尋問・法第二百七十八条)
第百七十一条 第百二十四条(書面尋問)の規定は、法第二百七十八条(尋問等に代わる書面の提出)の規定により証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見の陳述に代えて書面の提出をさせる場合について準用する。
(司法委員の発問)
第百七十二条 裁判官は、必要があると認めるときは、司法委員が証人等に対し直接に問いを発することを許すことができる。