相続人が,相続放棄や限定承認をしない場合は,
相続人は,被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します(ただし,一身専属権を除く。)。
つまり,不動産の売主(買主)といった地位も承継します。
(例) 生前,乙が,被相続人の甲からA不動産を買ったが,
まだ名義変更をしていなかった場合,
乙は,甲の相続人に対し,A不動産は,私が買ったから名義変更してくれ,と主張できます。
*ただし,甲の相続人が,第三者にA不動産を売却し,第三者名義に変更されてしまうと,
乙は,A不動産の所有権を主張できなくなります。
乙は,甲の相続人に損害賠償を請求することはできます。
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ブログ記載時の法律に基づいています。具体的な事件については,必ず専門家にご相談ください。 司法書士・行政書士・社会保険労務士 石原拓郎
2009年10月31日土曜日
2009年10月30日金曜日
株式の相続
「株式」が,相続財産に含まれていた場合で,
その株式について,遺言がないときは,
株式は,相続人全員による共有状態になります。
(つまり,各相続人は,それぞれ独立して,株主としての権利を行使することができません。)
各相続人が,法定相続分に基づいて相続した共有持分の過半数の決議により,
株主の権利を行使すべき者を指定します。
その結果,この指定された権利行使者のみが,株主総会で議決権を行使できます。
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その株式について,遺言がないときは,
株式は,相続人全員による共有状態になります。
(つまり,各相続人は,それぞれ独立して,株主としての権利を行使することができません。)
各相続人が,法定相続分に基づいて相続した共有持分の過半数の決議により,
株主の権利を行使すべき者を指定します。
その結果,この指定された権利行使者のみが,株主総会で議決権を行使できます。
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2009年10月29日木曜日
遺言無効確認の訴え
遺言無効確認の訴えは,
遺言について,
他人が偽造した,と疑われる場合や
遺言作成時,判断能力がなかった,と疑われる場合
などに,その遺言は無効であるとの確認をもとめる訴訟です。
しかし,遺言者が,生存している時点では,
かりに,遺言者が,医学上,判断能力を回復しないとされるような状態でも(いわゆる植物状態),
遺言無効確認の訴えは,できない,とされています。
(最高裁判所昭和31年10月4日判決民集10巻10号1229頁)
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遺言について,
他人が偽造した,と疑われる場合や
遺言作成時,判断能力がなかった,と疑われる場合
などに,その遺言は無効であるとの確認をもとめる訴訟です。
しかし,遺言者が,生存している時点では,
かりに,遺言者が,医学上,判断能力を回復しないとされるような状態でも(いわゆる植物状態),
遺言無効確認の訴えは,できない,とされています。
(最高裁判所昭和31年10月4日判決民集10巻10号1229頁)
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2009年10月28日水曜日
死後事務の委任契約
亡くなった後の,
火葬,葬儀,家財道具の処理,家屋の明渡し,公共料金の解約など,
を行ってくれる人がいない場合,
死後事務の委任契約を第三者(専門家など信頼できる人)と締結することで対処できます。
報酬もあらかじめ決定しておきます。
なお,残った遺産については,遺言により分配方法を決定しておきます。
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火葬,葬儀,家財道具の処理,家屋の明渡し,公共料金の解約など,
を行ってくれる人がいない場合,
死後事務の委任契約を第三者(専門家など信頼できる人)と締結することで対処できます。
報酬もあらかじめ決定しておきます。
なお,残った遺産については,遺言により分配方法を決定しておきます。
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2009年10月27日火曜日
推定相続人の廃除
被相続人に対し,推定相続人が虐待をしたり,重大な侮辱を加えた場合や
推定相続人に著しい非行があった場合は,
被相続人は,遺言により,その推定相続人を廃除することができます。
しかし,最終的に廃除の決定をするのは家庭裁判所です。
廃除を認める決定(認めない決定)が,出るまでは時間がかかります。
その決定が出るまでは,相続人が確定しないので,
遺産分割協議もできないことになってしまいます。
したがって,廃除にこだわるよりも,
他の相続人に遺産の全部を相続させる旨の遺言をした方が良いようです。
(この場合,被相続人としては不満でしょうが,最低の相続分のとして,遺留分を与えることになります。)
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推定相続人に著しい非行があった場合は,
被相続人は,遺言により,その推定相続人を廃除することができます。
しかし,最終的に廃除の決定をするのは家庭裁判所です。
廃除を認める決定(認めない決定)が,出るまでは時間がかかります。
その決定が出るまでは,相続人が確定しないので,
遺産分割協議もできないことになってしまいます。
したがって,廃除にこだわるよりも,
他の相続人に遺産の全部を相続させる旨の遺言をした方が良いようです。
(この場合,被相続人としては不満でしょうが,最低の相続分のとして,遺留分を与えることになります。)
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2009年10月26日月曜日
特別縁故者への財産分与
亡くなった人につき,相続人が,誰もいない場合で,
相続債権者や受遺者に対する清算手続きをした後,
なお,残余の遺産がある場合,
家庭裁判所に対して,請求することにより,残余の遺産を取得できる可能性があります。
ただし,請求者は,
亡くなった人と生計を同じくしていた者(内縁の配偶者,事実上の養子)
亡くなった人への療養看護に努めた者
など,特別な縁故者でなければなりません。
*請求期間には,制限があるので注意してください。
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(特別縁故者に対する相続財産の分与)
民法第九百五十八条の三
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。
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相続債権者や受遺者に対する清算手続きをした後,
なお,残余の遺産がある場合,
家庭裁判所に対して,請求することにより,残余の遺産を取得できる可能性があります。
ただし,請求者は,
亡くなった人と生計を同じくしていた者(内縁の配偶者,事実上の養子)
亡くなった人への療養看護に努めた者
など,特別な縁故者でなければなりません。
*請求期間には,制限があるので注意してください。
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(特別縁故者に対する相続財産の分与)
民法第九百五十八条の三
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。
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2009年10月21日水曜日
相続人からの預金口座の取引経過の開示請求の判例(遺言無し,遺産分割前)
最高裁平成21年1月22日判決
(最高裁HPhttp://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37210&hanreiKbn=01)
により,共同相続人の1人から,金融機関に対して,
預金口座の取引経過の開示請求をすることが,認められました。
この判例が出る前は,共同相続人の全員の同意がなければ,
金融機関は,開示に応じなかったようです。
この結果,被相続人の財産を管理していた相続人が,
被相続人の預金を不正に引き出していなかったか,
他の共同相続人が,調査できるようになりました。
ただし,上記判例は,遺言がなく,かつ,遺産分割協議をしていない事例です。
したがって,
①遺言により,預金を取得しないとされた相続人や
②遺産分割協議により預金を取得しないことになった相続人は,
金融機関に対して,預金口座の取引経過の開示請求をしても認められない可能性が高いでしょう。
なお,①遺言により,預金を取得しないとされた相続人であっても,遺留分減殺請求権を有する場合は,預金口座の取引経過の開示請求が認められる可能性があります。
遺産分割協議が成立した場合は,たとえ遺産分割により取得する相続財産が遺留分を下回っていたとしても,通常は,遺留分を放棄したと解されことになるでしょう。
遺産分割協議の成立後であっても,遺産分割協議をやり直すなどの正当な理由があれば,預金を取得しないとされた相続人であっても,預金口座の取引経過の開示請求が認められる可能性があります。
いったん遺産分割協議が成立した場合は,相続人の一人がその協議で負担した債務を履行しない場合でも,その債権を有する相続人は債務不履行に基づく解除することができません。つまり,相続人全員で遺産分割協議のやり直しを合意したなどのよほどの事情がない限り,遺産分割協議のやり直しは認められていないということです。
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(最高裁HPhttp://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37210&hanreiKbn=01)
により,共同相続人の1人から,金融機関に対して,
預金口座の取引経過の開示請求をすることが,認められました。
この判例が出る前は,共同相続人の全員の同意がなければ,
金融機関は,開示に応じなかったようです。
この結果,被相続人の財産を管理していた相続人が,
被相続人の預金を不正に引き出していなかったか,
他の共同相続人が,調査できるようになりました。
ただし,上記判例は,遺言がなく,かつ,遺産分割協議をしていない事例です。
したがって,
①遺言により,預金を取得しないとされた相続人や
②遺産分割協議により預金を取得しないことになった相続人は,
金融機関に対して,預金口座の取引経過の開示請求をしても認められない可能性が高いでしょう。
なお,①遺言により,預金を取得しないとされた相続人であっても,遺留分減殺請求権を有する場合は,預金口座の取引経過の開示請求が認められる可能性があります。
遺産分割協議が成立した場合は,たとえ遺産分割により取得する相続財産が遺留分を下回っていたとしても,通常は,遺留分を放棄したと解されことになるでしょう。
遺産分割協議の成立後であっても,遺産分割協議をやり直すなどの正当な理由があれば,預金を取得しないとされた相続人であっても,預金口座の取引経過の開示請求が認められる可能性があります。
いったん遺産分割協議が成立した場合は,相続人の一人がその協議で負担した債務を履行しない場合でも,その債権を有する相続人は債務不履行に基づく解除することができません。つまり,相続人全員で遺産分割協議のやり直しを合意したなどのよほどの事情がない限り,遺産分割協議のやり直しは認められていないということです。
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2009年10月19日月曜日
遺産分割協議から漏れた財産
遺産分割協議において,協議内容に含まれていない遺産が見つかった場合,
改めて,その遺産に関する遺産分割協議をするのが原則です。
したがって,遺産分割協議の際は,遺産を網羅するようにしましょう。
*よく見つかる例として,私道(私道持分)があります。
建物と敷地以外の不動産として,前面道路が遺産に含まれていることがあります。
前面道路が,市道ならよいのですが,私道の場合,私有地ですので,所有者がいます。
この私道は,公衆用道路として固定資産税が課税されていないことが多く,
(権利書を見れば分かるのですが),納税通知書に記載されておらず,
失念していることが多いようです。
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2009年10月7日水曜日
遺産分割協議
父が亡くなった時の遺産分割協議において,〇〇だったから,
母が亡くなった,今回の遺産分割協議においては,△△にすべき,
と主張する相続人がいますが,
法律上は,父と母の相続は別々と考えますので,
前回の父の遺産分割協議の内容が,
今回の母の遺産分割協議の内容に影響するものではありません。
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母が亡くなった,今回の遺産分割協議においては,△△にすべき,
と主張する相続人がいますが,
法律上は,父と母の相続は別々と考えますので,
前回の父の遺産分割協議の内容が,
今回の母の遺産分割協議の内容に影響するものではありません。
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