相続登記とは,被相続人名義の不動産を
相続人の名義に変更する手続です。
*遺産分割協議書の作成のみの場合,相続人の間では有効ですが,
第三者には,名義変更を主張できません。
相続登記をすれば,第三者にも名義変更を主張できます。
不動産の所有者には,固定資産税が課税されます。
相続登記をしなくても,市町村に固定資産税を納税していれば,
特に,市町村から問い合わせはありません。
(通常は,相続が発生したら,市町村に納税義務者変更(所有者変更)の届け出をします。)
つまり,相続登記をするかしないかは,原則として相続人の自由です。
*被相続人が,銀行から不動産を担保にお金を借りていた場合などは,相続登記が必要になります。
相続登記をすると,司法書士報酬と税金を含めると,最低10万円は必要になります。
*都市部は地価が高いので,税金も高くなります。固定資産税の評価額の0.4%です。
「夫婦」と「子ども1人」の家族において,夫名義の不動産について,夫の相続発生後,
①妻名義にもしないし,子ども名義にもせず,妻死亡時に相続登記することを考えている場合。
(現時点では,夫名義のまま放置状態。)
②妻名義にせず,子ども名義に変更すれば,妻名義の相続登記の費用を節約できるので,
夫から直接,子ども名義に相続登記をする場合。
<問題点>
①の場合つき,相続後,子どもが借金のため破産することになった場合,
不動産の2分の1は,子どもの財産ですので,
売却して現金化し,2分の1を裁判所に差し出すか,
売却せずに,妻が2分の1相当額を現金で裁判所に差し出すことになります。
(妻が,夫死亡後,不動産に居住し続けている場合,大変な問題になります。)
②の場合につき,相続後,「妻」と「子ども夫婦」の仲が悪くなった場合,
不動産の名義人である子どもの方が,事実上有利な立場になります。
事案によって異なりますが,妻が自分の立場を守ろうと思えば,
やはり,妻名義の相続登記をしておくのが無難です。
子どもが,複数いた場合は,妻(親)名義にした方が,子どもたちの間の納得も得やすいように思います。
(長男が妻(親)の世話をすることを条件に長男名義に変更したところ,
妻(親)の世話を放棄してしまった,という場合は,結構あるようです。)
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