2016年6月17日金曜日

国民年金保険料の免除に関する裁決



平成24年社会保険審査会裁決


国民年金保険料の免除の関係法令上,世帯主の意義を定めた規定は存在しないことから,


原処分をした日本年金機構(保険者)が,住民基本台帳上の世帯主をもってこれを認定することは


一応相当なものと考えられるとしながらも,


住民基本台帳法上の世帯主や世帯員が,必ずしも生活実態を忠実に反映していない場合もあることは公知の事実ともいえるのであり,


また,保険料免除の取扱いにおいては,世帯主とは,「主として世帯の生計を維持している者であって,国民年金の保険料の連帯納付義務を負う者として社会通念上妥当と認められる者」をいうが,具体的な認定に当たっては,国民健康保険における世帯主の認定に準ずるものであるが,特に名目上の世帯主にとらわれることのないよう留意すること(昭和35年6月13日年発第200号厚生省年金局長通知)とされているのである。


本件記録によると,住民票上の世帯主との記載だけから,再審査請求人の父を世帯主とみることは相当ではなく,


再審査請求人の父は,指定居宅介護支援事業所で生活しており,再審査請求人とは別居しているのであるから,


実質的に別世帯と認められる。


原処分をした日本年金機構は,再審査請求人は前年度に離職しているので,再審査請求人の父の所得のみが基準となると判断した結果,再審査請求人の父の所得が基準を上回っていたため,
再審査請求人の免除申請を却下したが,


社会保険審査会は,上記のとおり,再審査請求人と再審査請求人の父とは,別世帯と認められるとして,所得要件を満たすものと判断し,


原処分を取り消して,再審査請求人の国民年金保険料の免除申請を認めました。




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