2016年6月21日火曜日

夫より先に妻が死亡した場合の老齢厚生年金

当事務所では,特別支給の老齢厚生年金・老齢基礎年金・老齢厚生年金の


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②年金請求書(年金申請書)の作成
を承っています。



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札幌市中央区 石原拓郎 司法書士・行政書士・社会保険労務士事務所
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*下記事案に該当しない例外もありますので注意してください。




<夫より先に妻が死亡した場合>


①夫に配偶者加給年金が支給されていた場合は,妻(配偶者)の死亡により,配偶者加給年金は消滅しますので,その分だけ夫の年金金額が減少します。


②妻の死亡時に夫が55歳以上の場合において,夫が60歳になったら,夫は遺族厚生年金を受給できるときがあります。


なお,夫が遺族基礎年金を受給できる場合は,夫が(55歳以上)60歳未満でも,遺族厚生年金を受給できるときがあります。


③妻の死亡時に夫が55歳以上の場合において,夫が60歳になったら,夫は遺族厚生年金を受給できるときがあります。


夫の前年の収入が年額850万円以上かつ前年の所得が年額655万5000円以上の場合は,生計維持関係が否定されますので,遺族厚生年金は受給できません。


しかし,定年退職などの事情により,おおむね5年以内に夫の収入が年額850万円未満または所得が年額655万5000円未満になる場合は,生計維持関係が肯定されます。


なお,夫の生計維持関係が否定されても,(子どもがおらず),次順位である妻の父母が妻と同居しており(または,別居しているが妻は妻の父母に生活費を援助しており),妻の父母が収入・所得の要件を満たしているのであれば,妻の父母が遺族厚生年金を受給することができます。


④妻の死亡時に夫が55歳以上の場合において,夫が60歳になったら,夫は遺族厚生年金を受給できるときがあります。


夫の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が,生年月日に応じて60歳から64歳まで段階的に引き上げられるようになったため,夫は遺族厚生年金の受給を選択するという方法も考慮する必要があります。


従前であれば,夫は60歳なった時点において,夫の特別支給の老齢厚生年金を受給でき,かつ,老齢厚生年金の方が遺族厚生年金よりも通常は高額となるため,夫が遺族厚生年金を選択することはほとんどありませんでした。


しかし,特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げにより,60歳から夫の特別支給の老齢厚生年金が支給される年齢までの間は,遺族厚生年金を受給することとなります。


65歳前の退職による雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)を受給している場合,特別支給の老齢厚生年金は支給停止となりますが,遺族厚生年金は支給が停止されませんので,選択申出書を提出することにより,基本手当の受給期間中は,遺族厚生年金を選択する方が利益になるでしょう。  


⑤妻の死亡時に夫が55歳以上の場合において,夫が60歳になったら,夫は遺族厚生年金を受給できるときがあります。


夫は特別支給の老齢厚生年金が支給されるが,60歳以後も厚生年金の被保険者として在職している場合は,在職老齢年金制度により,年金の全部又は一部が支給停止になるときがあるため,遺族厚生年金を受給した方が利益になることがあります。