2015年6月17日水曜日

相続登記に添付する被相続人の戸籍謄本・除籍謄本

相続登記を申請する場合は,相続人の範囲を確定させるために,被相続人の戸籍および除籍の謄本を提供する必要があります。


論点は,被相続人のどの時点からの戸籍および除籍の謄本を提供する必要があるかですが,


登記研究 平成27年5月号 807号 実務の視点(73) 95頁には,


以下は要約になりますが,


「質疑応答によると,15,16歳からの事項の記載がある戸籍および除籍の謄本を提供する必要があるとされているが,


法務省民事局のホームページに記載されているとおり,できる限り,被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍および除籍の謄本を提供するのが望ましい。


近時の年少者は早熟なことから,目安としては12歳,13歳からの戸籍および除籍の謄本を提供する必要があると考えられる。」


と記載されていました。


*なお,登記研究 平成27年1月号 803号から,実務の視点で,新民法施行後(家督相続の廃止後)の相続登記の解説がスタートしています。


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2015年6月7日日曜日

遺族年金・遺族共済 札幌 社労士



年金手続は社会保険労務士(社労士)の業務です。

行政書士(1980年8月末日の時点で行政書士であった者を除く)や司法書士が年金手続きの依頼に応じることはできません。



当事務所では,遺族年金・遺族共済の受給のための証拠の作成・収集を承っています。

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遺族年金・遺族共済を受給するには,遺族が一定の要件を満たさなければなりません。


そして,その要件は,客観的な資料によって証明をする必要があります。


とくに,死亡時における生計同一要件や障害該当要件の証明が問題となります。


死亡者と遺族が,住民票上において同一世帯であれば,生計同一要件を満たすとされ,さらに住民票の記載によって生計同一要件の証明は容易となります。


しかし,住民票上の住所が異なる場合は,生計同一要件を満たすかどうかが審査されますし,また客観的な資料によって生計同一要件を証明する必要があります。


したがって,遺族年金・遺族共済を受給できる可能性がある場合は,


死亡前に,あらかじめ遺族年金・遺族共済を受給するための要件を満たす証拠を作成・収集しておけば,受給要件の証明が容易になります。


遺族年金・遺族共済の専門家は,社会保険労務士(社労士)です。


当事務所では,遺族年金・遺族共済の受給のための証拠の作成・収集を承っています。






共有不動産の賃貸借契約の締結・解除



(1)共有=共同所有にいたる原因は様々ですが,その原因のひとつとして,


被相続人が単独所有していた不動産について,共同相続を原因として共同相続人で共有することになる場合があります。


共同相続による共有の場合であっても,判例(最判昭30年5月31日民集9巻6号793頁)は,民法249条以下の物権共有とその性質を異にするものではないと判断していますが,


遺産分割協議(遺産分割調停・審判)の成立前には,共有物分割請求ができないなどの異なる部分もあります。


(2)共有物の利用方法については,共有持分数に応じて,


①保存行為(各共有者が単独でおこなえる)
②管理行為(共有持分の過半数を有する者でおこなえる)
③変更・処分行為(共有者全員の同意でおこなえる)


の3種類があります。


(3)共有不動産の賃貸借契約の「解除(解約)」については,


判例(最判昭29年3月12日民集8巻3号696頁,最判昭39年2月25日民集18巻2号329頁)は,管理行為にあたると判断しています。


したがって,賃貸借契約の解除は,共有持分の過半数を有する者によって行うことができます。


(4)共有不動産の賃貸借契約の「締結」については,判例はないようですが,裁判例によると,


①短期賃貸借(民法602条)の場合は,管理行為に該当する。


②602条の期間を超える場合は,処分行為に該当する。


③短期賃貸借の場合であっても,借地借家法が適用される場合は,処分行為に該当する。


と解されているようです(論点体系 判例民法<第2版>2物権 第一法規 参照)。


(5)なお,使用貸借契約の締結は,管理行為に該当する考え方と処分行為に該当する考え方(無償で貸借すると,各共有者は賃料収入が得られず損をするから)に分かれているようです。


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民法
(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)



第二百五十一条  各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

第二百五十二条  共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

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2015年6月3日水曜日

遺族年金・遺族共済 別居 第三者証明(札幌)


年金手続は社会保険労務士の業務です。


行政書士(1980年8月末日の時点で行政書士であった者を除く)や司法書士が年金手続きの依頼に応じることはできません。


当事務所(社会保険労務士)では,遺族年金(遺族共済)の「生計維持を証明する書類」の作成及び収集を代行いたします。




当事務所 
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年金受給者が死亡したときは,遺族に遺族年金が支給される場合があります。


年金受給者が老齢厚生年金を受給していた場合は,

遺族年金の請求者は,相続人ではなく,原則として,死亡した年金受給者に生計を維持されていた配偶者に支給されます。

死亡した年金受給者と遺族厚生年金の請求者が,

①同居している場合は,遺族厚生年金の請求は簡単ですが,

②なんらかの理由で別居していた場合は,請求が難しくなります。


別居していた場合は,生計維持を証明する書類(別居の理由書,経済的援助及び定期的な音信・訪問等についての申立書,第三者の証明書又はそれに代わる書類)の添付が求められます。



当事務所(社会保険労務士)では,遺族年金(遺族共済)の「生計維持を証明する書類」の作成及び収集を代行いたします。



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国民年金法
(昭和三十四年四月十六日法律第百四十一号)






第三十七条  遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
  被保険者が、死亡したとき。
  被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、六十歳以上六十五歳未満であるものが、死亡したとき。
  老齢基礎年金の受給権者が、死亡したとき。
  第二十六条ただし書に該当しないものが、死亡したとき。




第三十七条の二  遺族基礎年金を受けることができる配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であつた者の配偶者又は子(以下単に「配偶者」又は「子」という。)であつて、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持し、かつ、次に掲げる要件に該当したものとする。
  配偶者については、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持し、かつ、次号に掲げる要件に該当する子と生計を同じくすること。
  子については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか又は二十歳未満であつて障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。
  被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時胎児であつた子が生まれたときは、前項の規定の適用については、将来に向かつて、その子は、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなす。
  第一項の規定の適用上、被保険者又は被保険者であつた者によつて生計を維持していたことの認定に関し必要な事項は、政令で定める。

第三十八条  遺族基礎年金の額は、七十八万九百円に改定率を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)とする。

第三十九条  配偶者に支給する遺族基礎年金の額は、前条の規定にかかわらず、同条に定める額に配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時第三十七条の二第一項に規定する要件に該当し、かつ、その者と生計を同じくした子につきそれぞれ七万四千九百円に改定率(第二十七条の三及び第二十七条の五の規定の適用がないものとして改定した改定率とする。以下この項において同じ。)を乗じて得た額(そのうち二人までについては、それぞれ二十二万四千七百円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)を加算した額とする。
  配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であつた子が生まれたときは、前項の規定の適用については、その子は、配偶者がその権利を取得した当時第三十七条の二第一項に規定する要件に該当し、かつ、その者と生計を同じくした子とみなし、その生まれた日の属する月の翌月から、遺族基礎年金の額を改定する。
  配偶者に支給する遺族基礎年金については、第一項に規定する子が二人以上ある場合であつて、その子のうち一人を除いた子の一人又は二人以上が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その該当するに至つた日の属する月の翌月から、その該当するに至つた子の数に応じて、年金額を改定する。
  死亡したとき。
  婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。以下同じ。)をしたとき。
  配偶者以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)となつたとき。
  離縁によつて、死亡した被保険者又は被保険者であつた者の子でなくなつたとき。
  配偶者と生計を同じくしなくなつたとき。
  十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。
  障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるときを除く。
  二十歳に達したとき。

第三十九条の二  子に支給する遺族基礎年金の額は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について遺族基礎年金の受給権を取得した子が二人以上あるときは、第三十八条の規定にかかわらず、同条に定める額にその子のうち一人を除いた子につきそれぞれ七万四千九百円に改定率(第二十七条の三及び第二十七条の五の規定の適用がないものとして改定した改定率とする。以下この項において同じ。)を乗じて得た額(そのうち一人については、二十二万四千七百円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)を加算した額を、その子の数で除して得た額とする。
  前項の場合において、遺族基礎年金の受給権を有する子の数に増減を生じたときは、増減を生じた日の属する月の翌月から、遺族基礎年金の額を改定する。

第四十条  遺族基礎年金の受給権は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
  死亡したとき。
  婚姻をしたとき。
  養子となつたとき(直系血族又は直系姻族の養子となつたときを除く。)。
  配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は、前項の規定によつて消滅するほか、第三十九条第一項に規定する子が一人であるときはその子が、同項に規定する子が二人以上であるときは同時に又は時を異にしてその全ての子が、同条第三項各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
  子の有する遺族基礎年金の受給権は、第一項の規定によつて消滅するほか、子が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
  離縁によつて、死亡した被保険者又は被保険者であつた者の子でなくなつたとき。
  十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。
  障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるときを除く。
  二十歳に達したとき。

第四十一条  遺族基礎年金は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について、労働基準法 の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。
  子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が第二十条の二第一項若しくは第二項又は次条第一項の規定によりその支給を停止されているときを除く。)、又は生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、その間、その支給を停止する。

第四十一条の二  配偶者に対する遺族基礎年金は、その者の所在が一年以上明らかでないときは、遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によつて、その所在が明らかでなくなつた時に遡つて、その支給を停止する。
  配偶者は、いつでも、前項の規定による支給の停止の解除を申請することができる。

第四十二条  遺族基礎年金の受給権を有する子が二人以上ある場合において、その子のうち一人以上の子の所在が一年以上明らかでないときは、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によつて、その所在が明らかでなくなつた時にさかのぼつて、その支給を停止する。
  前項の規定によつて遺族基礎年金の支給を停止された子は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。
  第三十九条の二第二項の規定は、第一項の規定により遺族基礎年金の支給が停止され、又は前項の規定によりその停止が解除された場合に準用する。この場合において、同条第二項中「増減を生じた日」とあるのは、「支給が停止され、又はその停止が解除された日」と読み替えるものとする。


厚生年金保険法
(昭和二十九年五月十九日法律第百十五号)


第五十八条  遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
  被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者であつて、行方不明となつた当時被保険者であつたものを含む。)が、死亡したとき。
  被保険者であつた者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であつた間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して五年を経過する日前に死亡したとき。
  障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。
  老齢厚生年金の受給権者又は第四十二条第二号に該当する者が、死亡したとき。
  前項の場合において、死亡した被保険者又は被保険者であつた者が同項第一号から第三号までのいずれかに該当し、かつ、同項第四号にも該当するときは、その遺族が遺族厚生年金を請求したときに別段の申出をした場合を除き、同項第一号から第三号までのいずれかのみに該当し、同項第四号には該当しないものとみなす。

第五十九条  遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であつた者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母(以下単に「配偶者」、「子」、「父母」、「孫」又は「祖父母」という。)であつて、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者にあつては、行方不明となつた当時。以下この条において同じ。)その者によつて生計を維持したものとする。ただし、妻以外の者にあつては、次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
  夫、父母又は祖父母については、五十五歳以上であること。
  子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか、又は二十歳未満で障害等級の一級若しくは二級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。
  前項の規定にかかわらず、父母は、配偶者又は子が、孫は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。
  被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時胎児であつた子が出生したときは、第一項の規定の適用については、将来に向つて、その子は、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持していた子とみなす。
  第一項の規定の適用上、被保険者又は被保険者であつた者によつて生計を維持していたことの認定に関し必要な事項は、政令で定める。

第五十九条の二  船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた被保険者若しくは被保険者であつた者若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた被保険者若しくは被保険者であつた者の生死が三月間わからない場合又はこれらの者の死亡が三月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族厚生年金の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又はその者が行方不明となつた日に、その者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた被保険者若しくは被保険者であつた者若しくは航空機に乗つていてその航空機の航行中に行方不明となつた被保険者若しくは被保険者であつた者の生死が三月間わからない場合又はこれらの者の死亡が三月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。

第六十条  遺族厚生年金(次項の規定が適用される場合を除く。)の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。ただし、遺族厚生年金の受給権者が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法 による遺族基礎年金の支給を受けるときは、第一号に定める額とする。
  第五十九条第一項に規定する遺族(次号に掲げる遺族を除く。)が遺族厚生年金の受給権を取得したとき 死亡した被保険者又は被保険者であつた者の被保険者期間を基礎として第四十三条第一項の規定の例により計算した額の四分の三に相当する額。ただし、第五十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給される遺族厚生年金については、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が三百に満たないときは、これを三百として計算した額とする。
  第五十九条第一項に規定する遺族のうち、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定めるもの(以下この条、次条及び第六十四条の三において「老齢厚生年金等」という。)のいずれかの受給権を有する配偶者が遺族厚生年金の受給権を取得したとき 前号に定める額又は次のイ及びロに掲げる額を合算した額のうちいずれか多い額
 前号に定める額に三分の二を乗じて得た額
 当該遺族厚生年金の受給権者の老齢厚生年金等の額の合計額(第四十四条第一項の規定又は他の法令の規定で同項の規定に相当するものとして政令で定めるものにより加給年金額が加算された老齢厚生年金等にあつては、これらの規定を適用しない額とする。以下同じ。)から政令で定める額を控除した額に二分の一を乗じて得た額
  遺族厚生年金(第五十八条第一項第四号に該当することにより支給される遺族厚生年金であり、かつ、その受給権者(六十五歳に達している者であつて老齢厚生年金等のいずれかの受給権を有する配偶者に限る。)が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される年金たる給付であつて政令で定めるものの受給権を有する場合に限る。)の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。
  イに掲げる額がロに掲げる額以上であるとき 前項第一号に定める額
 前項第一号の規定の例により計算した額に、他の被用者年金各法の規定であつて政令で定めるものの例により計算した額を合算した額(以下この項において「合算遺族給付額」という。)
 合算遺族給付額から政令で定める額を控除した額に三分の二を乗じて得た額、当該遺族厚生年金の受給権者の老齢厚生年金等の額の合計額から政令で定める額を控除した額に二分の一を乗じて得た額及び政令で定める額を合算した額
  前号イに掲げる額が同号ロに掲げる額に満たないとき イに掲げる額にロに掲げる比率を乗じて得た額
 前号ロに掲げる額から政令で定める額を控除した額
 合算遺族給付額から政令で定める額を控除した額に対する前項第一号に定める額の比率
  配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者が二人以上であるときは、それぞれの遺族厚生年金の額は、第一項第一号の規定にかかわらず、受給権者ごとに同号の規定により算定した額を受給権者の数で除して得た額とする。
  前三項に定めるもののほか、遺族厚生年金の額の計算について必要な事項は、政令で定める。

第六十一条  配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者の数に増減を生じたときは、増減を生じた月の翌月から、年金の額を改定する。
  前条第一項第一号の規定によりその額が計算される遺族厚生年金(配偶者に対するものに限る。)の受給権者が老齢厚生年金等のいずれかの受給権を取得した日において、同項第二号イ及びロに掲げる額を合算した額が同項第一号に定める額を上回るとき、又は同条第二項第一号ロに掲げる額が同号イに掲げる額を上回るときは、それぞれ同条第一項第二号イ及びロに掲げる額を合算した額又は同条第二項第二号に定める額に、当該老齢厚生年金等の受給権を取得した日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。
  前条第一項第二号又は同条第二項の規定によりその額が計算される遺族厚生年金は、その額の算定の基礎となる老齢厚生年金等の額が第四十三条第三項又は他の法令の規定でこれに相当するものとして政令で定めるものにより改定されたときは、当該老齢厚生年金等の額が改定された月から当該遺族厚生年金の額を改定する。ただし、前条第一項第一号又は同条第二項第一号イの規定により計算される額が、それぞれ当該改定後の老齢厚生年金等の額を基礎として算定した同条第一項第二号イ及びロに掲げる額を合算した額又は同条第二項第一号ロの額以上であるときは、この限りでない。

第六十二条  遺族厚生年金(第五十八条第一項第四号に該当することにより支給されるものであつて、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が二百四十未満であるものを除く。)の受給権者である妻であつてその権利を取得した当時四十歳以上六十五歳未満であつたもの又は四十歳に達した当時当該被保険者若しくは被保険者であつた者の子で国民年金法第三十七条の二第一項 に規定する要件に該当するもの(当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡後に同法第三十九条第三項第二号 から第八号 までのいずれかに該当したことがあるものを除く。)と生計を同じくしていたものが六十五歳未満であるときは、第六十条第一項第一号の遺族厚生年金の額に同法第三十八条 に規定する遺族基礎年金の額に四分の三を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)を加算する。
  前項の加算を開始すべき事由又は同項の加算を廃止すべき事由が生じた場合における年金の額の改定は、それぞれ当該事由が生じた月の翌月から行う。

第六十三条  遺族厚生年金の受給権は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
  死亡したとき。
  婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
  直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となつたとき。
  離縁によつて、死亡した被保険者又は被保険者であつた者との親族関係が終了したとき。
  次のイ又はロに掲げる区分に応じ、当該イ又はロに定める日から起算して五年を経過したとき。
 遺族厚生年金の受給権を取得した当時三十歳未満である妻が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法 による遺族基礎年金の受給権を取得しないとき 当該遺族厚生年金の受給権を取得した日
 遺族厚生年金と当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法 による遺族基礎年金の受給権を有する妻が三十歳に到達する日前に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したとき 当該遺族基礎年金の受給権が消滅した日
  子又は孫の有する遺族厚生年金の受給権は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
  子又は孫について、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき。ただし、子又は孫が障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にあるときを除く。
  障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある子又は孫について、その事情がやんだとき。ただし、子又は孫が十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるときを除く。
  子又は孫が、二十歳に達したとき。
  父母、孫又は祖父母の有する遺族厚生年金の受給権は、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時胎児であつた子が出生したときは、消滅する。

第六十四条  遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について労働基準法第七十九条 の規定による遺族補償の支給が行われるべきものであるときは、死亡の日から六年間、その支給を停止する。

第六十四条の二  第五十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給される遺族厚生年金は、その受給権者が当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について他の被用者年金各法による遺族共済年金であつて政令で定めるものを受けることができるときは、その間、その支給を停止する。
  第三十八条第二項及び第四項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第二項中「他の年金たる保険給付、国民年金法 による年金たる給付又は他の被用者年金各法による年金たる給付」とあるのは、「他の被用者年金各法による遺族共済年金であつて政令で定めるもの」と読み替えるものとする。

第六十四条の三  遺族厚生年金(その受給権者が六十五歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金等のいずれかの受給権を有するときは、当該老齢厚生年金等の額の合計額から政令で定める額を控除した額に相当する部分の支給を停止する。
  第六十条第二項の規定によりその額が計算される遺族厚生年金の受給権者に対する前項の規定の適用については、同項中「老齢厚生年金等の額の合計額から政令で定める額を控除した額に相当する部分」とあるのは、「老齢厚生年金等の額の合計額から政令で定める額を控除した額に第六十条第二項第二号ロに掲げる比率を乗じて得た額に相当する部分」とする。

第六十五条  第六十二条第一項の規定によりその額が加算された遺族厚生年金は、その受給権者である妻が当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について国民年金法 による遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、同項の規定により加算する額に相当する部分の支給を停止する。

第六十五条の二  夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が六十歳に達するまでの期間、その支給を停止する。ただし、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について、夫が国民年金法 による遺族基礎年金の受給権を有するときは、この限りでない。

第六十六条  子に対する遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給を停止する。ただし、配偶者に対する遺族厚生年金が第三十八条の二第一項若しくは第二項、前条本文、次項本文又は次条の規定によりその支給を停止されている間は、この限りでない。
  配偶者に対する遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について、配偶者が国民年金法 による遺族基礎年金の受給権を有しない場合であつて子が当該遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給を停止する。ただし、子に対する遺族厚生年金が次条の規定によりその支給を停止されている間は、この限りでない。

第六十七条  配偶者又は子に対する遺族厚生年金は、その配偶者又は子の所在が一年以上明らかでないときは、遺族厚生年金の受給権を有する子又は配偶者の申請によつて、その所在が明らかでなくなつた時にさかのぼつて、その支給を停止する。
  配偶者又は子は、いつでも、前項の規定による支給の停止の解除を申請することができる。

第六十八条  配偶者以外の者に対する遺族厚生年金の受給権者が二人以上である場合において、受給権者のうち一人以上の者の所在が一年以上明らかでないときは、その者に対する遺族厚生年金は、他の受給権者の申請によつて、その所在が明らかでなくなつた時にさかのぼつて、その支給を停止する。
  前項の規定によつて遺族厚生年金の支給を停止された者は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。
  第六十一条第一項の規定は、第一項の規定により遺族厚生年金の支給が停止され、又は前項の規定によりその停止が解除された場合に準用する。この場合において、同条第一項中「増減を生じた月」とあるのは、「支給が停止され、又はその停止が解除された月」と読み替えるものとする。

第六十九条  第五十八条第一項第四号に該当することにより支給される遺族厚生年金は、その受給権者が当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について他の被用者年金各法による遺族共済年金であつて政令で定めるものを受けることができるときは、同条の規定にかかわらず、支給しない。