2011年12月31日土曜日

分骨2

火葬の際に火葬場において,分骨をすることもできます。


火葬場の管理者が分骨証明書を発行してくれます。


なお,一死体一許可証が原則ですので,


埋火葬許可証は1通しか発行されません。


よって,ふたつに分骨する場合は,


一方は埋火葬許可証,もう一方は分骨証明書により,埋蔵・収蔵します。 


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2011年12月30日金曜日

分骨

分骨するには,祭祀主宰者の承諾が必要です。




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2011年12月29日木曜日

改葬8

同じ場所で墓を作り直すときや,


同じ納骨堂内で移動させるときは,


改葬許可証は不要のようです。


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2011年12月28日水曜日

改葬7

改葬する場合で,


遺骨(焼骨)が,すでに土に還っていたとき(骨としての原形が無かったとき)は,


改葬許可証は不要です。


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2011年12月25日日曜日

改葬6

墓地使用者の許可無く,お墓から遺骨(焼骨)を取り出すと,


墳墓発掘罪や墳墓発掘遺骨領得罪にが該当する可能性があります。


たとえ,改葬しようとする人が祭祀主宰者でも,


(実家などの)墓地使用者の許可無く,遺骨を取り出すことは慎んでください。




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2011年12月24日土曜日

改葬5

改葬する場合は,


改葬先の墓地や納骨堂の権利をしっかり確保してから,改葬しましょう。


遺骨(焼骨)を現在の墓地から取り出したものの,改葬先が確保できていない場合は,


手元で保管することになってしまうからです。


なお,市町村への改葬許可申請の際に,


改葬先の墓地管理者の受け入れ証明書が要求されることもあります。


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2011年12月23日金曜日

死後委任契約および負担付贈与契約に関する判例

高松高判平22年8月30日判時2106号52頁

概略すると,被相続人A,Aの娘で被相続人B,AおよびBの唯一の相続人である原告X(Aの孫,Bの甥),Aの姪である被告Y。

Xは,YがA名義とB名義の預金を費消したとして,不法行為に基づく損害賠償請求または不当利得返還請求を原因としてYを訴えた。

Yは,

Aとの間の負担付贈与契約,死後委任契約,

Bとの間の財産管理契約の成立を主張しました,

ーーーーーーーー

裁判所は,

Aとの間の負担付贈与契約の成立を否定しましたが,死後委任契約の成立を認めました。

Bとの間の財産管理契約の成立を否定しましたが,事務管理を認めました。

ただし,

YがA名義の口座から払い戻した2332万円のうち1887万円を,

YがB名義の口座から払い戻した1015万円のうち836万円を,

Yの自己のための費消として認定し,

YのXに対する上記金額の損害賠償請求を認めました。

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契約書を作成していない場合,負担付贈与契約の成立を立証することは困難のようです。

なぜなら,民法は遺産の処分は遺言書作成を大原則としているからです。

事務管理(準事務管理)と善解しても,

被相続人の財産のうち余った部分を事実上の財産管理人が懐に入れるようなことは,法律が認めていません。

事実上の財産管理人は,相続人から損害賠償請求(不当利得返還請求)された場合,

被相続人のために費消したことをまったく立証できなければ,全額を賠償する責任を負います。


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2011年12月22日木曜日

改葬4

改葬するには,市町村長の改葬許可証が必要です。


改葬許可申請には,


墓地・納骨堂の管理者の埋蔵・収蔵証明書を添付します。


*申請人が墓地使用者以外の場合は,墓地使用者の承諾書または裁判の謄本が必要です。




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2011年12月21日水曜日

改葬3

改葬するには,現在埋葬されている墓地使用者の承諾書が必要になります。


墓地使用者が改葬に承諾しない場合は,


承諾に代わる裁判の謄本が必要になります。




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2011年12月20日火曜日

改葬2

寺院境内墓地から改葬する場合で,


墓地管理者である住職が,

何らかの理由で埋蔵証明書を発行してくれないときは,


市町村長が必要と認める書面を提出することで,埋蔵証明書に代えることができます。


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2011年12月19日月曜日

改葬

墓地管理者に無断で納骨した場合,


改葬の際に墓地管理者から埋蔵証明書を発行してもらえません。


この場合,あらためて埋火葬許可証を提出することで,


埋蔵証明書を発行してもらえるようです。


埋火葬許可証を紛失していた場合は,埋火葬許可証を市町村から再発行してもらうことになります。


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2011年12月17日土曜日

遺族年金の失権2

夫の死亡により,


遺族年金(遺族基礎年金,遺族厚生年金)を受給している妻は,


①夫の姻族と姻族関係を終了させる意思表示をした場合,


②結婚による改氏前の氏に戻した場合,


上記いずれの場合も,遺族年金の失権事由には該当しません


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2011年12月16日金曜日

遺族年金8

遺族年金(遺族基礎年金,遺族厚生年金)は,受給要件が複雑です。

(例)


A(会社員,Bの夫)はB(Aの妻)と離婚し,

AとBとの間の子CをAが引き取った。


その後,Aが死亡した。


Aの死亡により,BがCを引き取った。


この場合,


①Bは,すでに離婚しておりAの妻ではないので,


Bは遺族年金を受給できません。




②Cは,Aの子として遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権を取得します。


しかし,Cは母Bと同居すると,同居の翌月から遺族基礎年金の支給が停止されます。


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2011年12月15日木曜日

遺族年金7

被保険者の死亡後,

 内縁の妻などから認知の訴えがあり,裁判所が認知を認めた場合,

 
認知の効力は被認知者が出生したときに遡って生じます,


したがって,遺族年金の受給権なども出生したときに遡って発生していたことになります。


しかし,認知の裁判確定前に,すでに他の遺族が遺族年金を受給していた場合は,


認知の裁判が確定したときから,被認知者は遺族年金を受給することになります。


遺族年金は,相続財産ではないこともあり,


民法784条但書きにより,第三者が既に取得した権利を害することはできないので,

すでに遺族年金を受給していた他の遺族に対し,不当利得返還請求をすることはできないようです。


なお,認知の訴えは,


原則として認知者である父(または母)の死亡日から3年を経過した場合は,することができません,

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(認知の効力)
民法第七百八十四条  認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。

(認知の訴え)
第七百八十七条  子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。

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2011年12月14日水曜日

遺族年金6

遺族年金(遺族基礎年金,遺族厚生年金)は,受給要件が複雑です。




とくに,再婚の場合は複雑になります。


(例)


A(会社員,Bの夫)はB(Aの妻)と結婚していたが,


Aが死亡した。


ただし,Aには離婚した前妻Cとの間に子Dがおり,


妻Bには離婚したEとの間に子Fがおり,


A,B,Fが同居していた場合。


この場合,


FはAの事実上の養子と考えられるが,


FはAとの間で養子縁組をしていない以上,Aとは親子関係が無く,


FはAの遺族年金の受給権はありません。


なお,妻Bは,子のある妻ではありません(Aの子Dと同居していれば,子のある妻になる)ので,


遺族基礎年金の受給権はありません。


妻Bは,子のある妻ではありませんので,


遺族厚生年金の受給権はありますが,


Aの子Dが遺族厚生年金の受給につき優先しますので,


Dが遺族厚生年金を受給する間は,Bの遺族厚生年金は支給が停止されます。


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2011年12月13日火曜日

遺族年金5

遺族年金(遺族基礎年金,遺族厚生年金)は,受給要件が複雑です。

とくに,再婚の場合は複雑になります。


(例)


A(会社員,Bの夫)はB(Aの妻)と結婚していたが,


Aが死亡した。


ただし,Aには離婚した前妻Cとの間に子D(連れ子)がおり,


妻Bには離婚したEとの間に子F(連れ子)がおり,


A,B,D,Fが同居していた場合。




この場合,


FはAの事実上の養子と考えられるますが,


FはAとの間で養子縁組をしていない以上,Aとは親子関係が無く,


FはAの遺族年金の受給権はありません。


なお,妻Bは,Aとの間に子をもうけていませんが,


妻Bは,Aの連れ子Dと同居してれば,


子のある妻(この場合の子とは,死亡した被保険者の子であれば足り,妻の子である必要はありません。)となるので,遺族基礎年金を受給でき,


遺族厚生年金も受給できます。


---------
(遺族の範囲)



国民年金法第三十七条の二  遺族基礎年金を受けることができる妻又は子は、被保険者又は被保険者であつた者の妻又は子(以下単に「妻」又は「子」という。)であつて、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持し、かつ、次に掲げる要件に該当したものとする。


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2011年12月11日日曜日

解約後の取引履歴の開示義務



銀行が,預金契約解約後に死亡した元預金者の相続人に対し,預金契約の取引経過開示義務を負わないとした事例

(東京高等裁判所 平成23年8月3日判決 金融法務事情1935号118頁 上告・上告受理申立て)


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2011年12月5日月曜日

遺言と登記手続き

公正証書遺言の場合でも,公証人は登記手続については説明しませんので,


いざ,遺言者死亡後,公正証書遺言に基づいて相続または遺贈の登記手続をしようと思っても,


法務局から登記申請を却下されることもあります。


公正証書遺言の場合は,遺言が無効ということはまずありえませんが,


登記するための必要書類を完備することができず(完備しておらず)


結局,登記手続に協力してもらうために相続人全員の遺産分割協議または遺産分割調停を要することがあります。


とくに,相続人ではない第三者に遺贈する場合は,


登記手続が複雑になりますし,


登記手続につき,相続人の協力は困難を伴うことが多いです。



*遺言に基づく相続または遺贈の登記は,

遺言が有効であることとは別の問題として,

登記手続上,登記名義の変更が可能かどうかといった点が最重要です。


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2011年12月3日土曜日

遺留分の割合

遺留分の割合は,

民法第千二十八条によると,  

兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。



一  直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一


二  前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一

よって,

①配偶者のみが相続人となる場合,遺留分は2分の1

②配偶者と子が相続人になる場合,配偶者の遺留分は4分の1,それぞれの子の遺留分は法定相続分×2分の1

③配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合,配偶者の遺留分は2分の1,兄弟姉妹は無し。




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(遺留分の帰属及びその割合)



民法第千二十八条  兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。


一  直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一


二  前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一


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2011年12月2日金曜日

個人向け国債の相続に関する下級審判例

福岡地方裁判所平成23年6月10日判決(金融法務事情1934号120頁)(確定)

判決要旨

個人向け国債に含まれる取扱機関に対して中途換金の請求をする権利や中途換金としての売渡しに係る代金支払い請求権は,個人向け国債の関連法規等に照らして,単純な金銭債権とは異なり,その性質上,可分債権であると見ることはできないから,原告らおよびBは,Aの死亡により個人向け国債を準共有するに至ったというべきであり,かつ,個人向け国債について中途換金の請求は解約の実質を有することから民法544条1項の類推適用によりAの相続人である原告およびBの全員からのみすることができるというべきである。
 よって,原告らが相続分に応じて個人向け国債の中途換金請求権を単独で行使できる旨の原告らの主張を採用することはできない

*Aの相続人は,Aの子どもである原告X1,原告X2,Bの3名(法定相続分は各3分の1)


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2011年12月1日木曜日

投資信託(公社債投信)に係る投資信託受益権の相続に関する下級審判例

大阪地方裁判所平成23年8月26日判決(金融法務事情1934号114頁)(確定)

判決要旨

1 投資信託の一種である社債投信に係る投資信託受益権は,可分な権利ではなく,性質上不可分な権利である。

2 投資信託の一種である公社債投信に係る投資信託受益権が共同相続された場合には,当該相続人らはその相続分に応じて当該投資信託受益権を準共有することとなり,当該相続人らの一部が当該投資信託を解約してその相続分に応じた解約金の支払いを請求することはできない

*共同相続人は4名で,原告X1,原告X2の法定相続分は各6分の1

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2011年11月30日水曜日

無効な遺言

遺言内容が債務の弁済のみの場合,遺言は無効。

単に遺言執行者を指定し,同人をして相続財産である不動産を売却してその売却代金をもって相続債務を弁済すべき遺言は,無効(大判大6年7月5日民録23輯1276頁)。


相続債務の弁済は相続人の当然の義務であり,本件不動産の売却は債務の弁済のためであり,受遺者への利益のための処分に該当しないから。


←売却代金の残金を受遺者へ分配する旨があれば,遺言は有効。


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2011年11月29日火曜日

遺言と離縁

遺言者が養子縁組をした後,


その養子に対し,相続させる旨の遺言を作成したが,


のちに離縁をした場合,


遺言は取り消されたものとみなされます。


「終生扶養を受けることを前提とし養子縁組をした上大半の不動産を遺贈した者が,後に協議離縁をした場合,その遺贈は取り消されたものとみなされた事例(最判昭56年11月13日民集35・8・ 1251」)




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2011年11月28日月曜日

生存配偶者の復氏または姻族関係終了および祭祀財産の承継者



夫(または妻)の死亡後は,


離婚することはできないので,




死亡による夫婦関係の終了の場合は,


妻は,姻族関係終了の届け出および復氏の届け出をすることにより,


妻は,夫の実家と縁を切ることができます。


ただし,妻が祭祀財産の承継者になっていた場合は,


妻は利害関係人との協議で,祭祀財産の承継者を定めることになります。




なお,婚姻により氏を改めた妻(夫)は,


夫(妻)死亡後,


①姻族関係を継続し,復氏しない場合


②姻族関係は終了させるが,復氏する場合


③姻族関係を継続するが,復氏する場合


④姻族関係を終了させるし,復氏もする場合


の四つのパターンを選択できます。




ーーーーーーーーーーーーー


(離婚等による姻族関係の終了)




民法第七百二十八条  姻族関係は、離婚によって終了する。


2  夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。






(生存配偶者の復氏等)




第七百五十一条  夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。


2  第七百六十九条の規定は、前項及び第七百二十八条第二項の場合について準用する。


 
(離婚による復氏の際の権利の承継)




第七百六十九条  婚姻によって氏を改めた夫又は妻が、第八百九十七条第一項の権利を承継した後、協議上の離婚をしたときは、当事者その他の関係人の協議で、その権利を承継すべき者を定めなければならない。


2  前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。




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2011年11月27日日曜日

祭祀財産の承継者

氏を改めた妻(夫)が,


夫(妻)の家の祭祀財産の承継者になっていた場合で,


①妻が夫と離婚をしたとき,


②妻が夫死亡後,復氏をしたとき,


③妻が夫死亡後,姻族関係終了の届け出をしたとき,


妻(夫)は,利害関係人との協議で祭祀財産の承継者を定めます。








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2011年11月25日金曜日

生存配偶者の復氏

夫(または妻)が死亡した場合で,


生存している妻が,


婚姻に際し,氏を改めた妻のときは,


妻は,市役所に届け出をすることで婚姻前の氏を名乗ることができます。




ーーーーーーーーーーーーー


(生存配偶者の復氏等)




民法


第七百五十一条  夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。


2  第七百六十九条の規定は、前項及び第七百二十八条第二項の場合について準用する。




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2011年11月24日木曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例15

事件番号 平成6(オ)940


事件名 損害賠償


裁判年月日 平成9年09月09日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


 裁判種別 判決


結果 その他


 集民 第185号217頁


 判示事項 


被害自動車の運転者とこれに同乗中の被害者が恋愛関係にある場合と過失相殺において右運転者の過失が被害者側の過失と認められるために必要な身分上、生活関係上の一体性の有無




裁判要旨 


被害自動車の運転者とこれに同乗中の被害者が恋愛関係にあったものの、婚姻していたわけでも、同居していたわけでもない場合には、過失相殺において右運転者の過失が被害者側の過失と認められるために必要な身分上、生活関係上の一体性があるとはいえない。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62762&hanreiKbn=02


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2011年11月23日水曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例14

事件番号 平成5(オ)2132


事件名 損害賠償請求上告、同附帯上告


裁判年月日 平成9年01月28日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


 裁判種別 判決


結果 その他


 民集 第51巻1号78頁


 判示事項 


一 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の逸失利益の算定方法








二 不法残留外国人の労災事故による逸失利益の算定に当たり我が国における就労可能期間を事故の約五箇月後まで勤めた会社を退社した日の翌日から三年間を超えて認めなかった原審の認定判断が不合理ではないとされた事例






三 損害賠償額を過少に算定した違法があるとしてされた上告の上告理由書提出期間経過後にこれを過大に算定した違法があるとしてされた附帯上告の適否


裁判要旨 


一 一時的に我が国に滞在し将来出国が予定される外国人の事故による逸失利益を算定するに当たっては、予測される我が国での就労可能期間内は我が国での収入等を基礎とし、その後は想定される出国先での収入等を基礎とするのが合理的であり、我が国における就労可能期間は、来日目的、事故の時点における本人の意思、在留資格の有無、在留資格の内容、在留期間、在留期間更新の実績及び蓋然性、就労資格の有無、就労の態様等の事実的に及び規範的な諸要素を考慮して、これを認定するのが相当である。






二 短期滞在の在留資格で我が国に入国し、在留期間経過後も不法に残留して就労していた外国人が、労災事故により後遺障害を残す負傷をし、事故後も国内に残留し事故の二〇日後から約五箇月後までの間は製本会社で就労するなどして収入を得ているが、最終的には退去強制の対象とならざるを得ず、特別に在留が合法化され退去強制を免れ得るなどの事情は認められないという判示の事実関係の下においては、右外国人の逸失利益の算定に当たり、我が国における就労可能期間を同人が事故後に勤めた右製本会社を退社した日の翌日から三年間を超えるものとは認められないとした原審の認定判断は、不合理とはいえない。






三 損害賠償額を過少に算定した違法があるとしてされた上告の上告理由書提出期間経過後に、これを過大に算定した違法があるとしてされた附帯上告は、不適法である。


 
最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52509&hanreiKbn=02




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2011年11月22日火曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例13

事件番号 平成5(オ)1958


事件名 損害賠償


裁判年月日 平成8年05月31日


法廷名 最高裁判所第二小法廷


裁判種別 判決


結果 棄却


 民集 第50巻6号1323頁


 判示事項 


一 交通事故の被害者がその後に第二の交通事故により死亡した場合に最初の事故の後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たり被害者の死亡を考慮することの許否






二 交通事故の被害者が事故後に死亡した場合に後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たり死亡後の生活費を控除することの許否


裁判要旨 


一 交通事故の被害者がその後に第二の交通事故により死亡した場合、最初の事故の後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たっては、死亡の事実は就労可能期間の算定上考慮すべきものではない。


二 交通事故の被害者が事故後に死亡した場合、後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たっては、事故と被害者の死亡との間に相当因果関係がある場合に限り、死亡後の生活費を控除することができる。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=57063&hanreiKbn=02




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2011年11月21日月曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例12

事件番号 平成5(オ)527


事件名 損害賠償


裁判年月日 平成8年04月25日


法廷名 最高裁判所第一小法廷


裁判種別 判決


結果 破棄差戻し


 民集 第50巻5号1221頁


 判示事項 


後遺障害による逸失利益の算定に当たり事故後の別の原因による被害者の死亡を考慮することの許否




裁判要旨 


交通事故の被害者が後遺障害により労働能力の一部を喪失した場合における逸失利益の算定に当たっては、事故後に別の原因により被害者が死亡したとしても、事故の時点で、死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではない。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=57064&hanreiKbn=02




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2011年11月19日土曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例11

事件番号 平成1(オ)297


事件名 債務不存在確認請求本訴、損害賠償請求反訴


 裁判年月日 平成5年09月21日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


裁判種別 判決


結果 棄却


 集民 第169号793頁


 判示事項 


不法行為により死亡した者の相続人が加害者に対し死亡者の得べかりし普通恩給及び国民年金(老齢年金)をその逸失利益として請求することの可否




裁判要旨 


不法行為により死亡した者の得べかりし普通恩給及び国民年金(老齢年金)は、その逸失利益として相続人が相続によりこれを取得し、加害者に対してその賠償を請求することができる。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=63012&hanreiKbn=02


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2011年11月18日金曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例10

事件番号 昭和61(オ)1476


事件名 損害賠償


裁判年月日 平成5年04月06日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


裁判種別 判決


結果 棄却


 民集 第47巻6号4505頁


 判示事項


 一 内縁の配偶者と自動車損害賠償保障法七二条一項にいう「被害者」




二 自動車損害賠償保障法七二条一項により死亡者の相続人に損害をてん補すべき場合に既に死亡者の内縁の配偶者が同条項によりてん補を受けた扶養利益の喪失に相当する額を死亡者の逸失利益の額から控除することの要否


裁判要旨 


一 内縁の配偶者は、自動車損害賠償保障法七二条一項にいう「被害者」に当たる。


二 自動車損害賠償保障法七二条一項により死亡者の相続人に損害をてん補すべき場合において、既に死亡者の内縁の配偶者が同条項により扶養利益の喪失に相当する額のてん補を受けているときは、右てん補額は、相続人にてん補すべき死亡者の逸失利益の額からこれを控除すべきである。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=53372&hanreiKbn=02




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2011年11月17日木曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例9

事件番号 昭和63(オ)1749


事件名 損害賠償


裁判年月日 平成5年03月24日


法廷名 最高裁判所大法廷


裁判種別 判決


結果 その他


 民集 第47巻4号3039頁


 判示事項 


一 不法行為と同一の原因によつて被害者又はその相続人が第三者に対して取得した債権の額を加害者の賠償額から控除することの要否及びその範囲








二 地方公務員等共済組合法(昭和六〇年法律第一〇八号による改正前のもの)の規定に基づく退職年金の受給者が不法行為によつて死亡した場合にその相続人が被害者の死亡を原因として受給権を取得した同法の規定に基づく遺族年金の額を加害者の賠償額から控除することの要否及びその範囲


裁判要旨 


一 不法行為と同一の原因によつて被害者又はその相続人が第三者に対して損害と同質性を有する利益を内容とする債権を取得した場合は、当該債権が現実に履行されたとき又はこれと同視し得る程度にその存続及び履行が確実であるときに限り、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきである。




二 地方公務員等共済組合法(昭和六〇年法律第一〇八号による改正前のもの)の規定に基づく退職年金の受給者が不法行為によつて死亡した場合に、その相続人が被害者の死亡を原因として同法の規定に基づく遺族年金の受給権を取得したときは、支給を受けることが確定した遺族年金の額の限度で、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきである。


(一、二につき反対意見がある。)


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=56367&hanreiKbn=02




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2011年11月15日火曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例8

事件番号 昭和59(オ)3


事件名 労災保険金代位請求事件


裁判年月日 平成1年04月27日


法廷名 最高裁判所第一小法廷


裁判種別 判決


結果 破棄自判


 民集 第43巻4号278頁


 判示事項 


使用者の損害賠償債務の履行と労働者災害補償保険法に基づく保険給付請求権の代位取得




裁判要旨 


労働者の業務上の災害に関して損害賠償債務を履行した使用者は、賠償された損害に対応する労働者災害補償保険法に基づく保険給付請求権を代位取得しない。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52190&hanreiKbn=02




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2011年11月14日月曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例7

事件番号 昭和58(オ)128


事件名 損害賠償


裁判年月日 昭和62年07月10日


法廷名 最高裁判所第二小法廷


裁判種別 判決


結果 破棄差戻し


 民集 第41巻5号1202頁


 判示事項


 労働者災害補償保険法による休業補償給付若しくは傷病補償年金又は厚生年金保険法(昭和六〇年法律第三四号による改正前のもの)による障害年金を被害者の受けた財産的損害のうちの積極損害又は精神的損害から控除することの可否




裁判要旨 


労働者災害補償保険法による休業補償給付若しくは傷病補償年金又は厚生年金保険法(昭和六〇年法律第三四号による改正前のもの)による障害年金は、被害者の受けた財産的損害のうちの積極損害又は精神的損害から控除すべきでない。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=55192&hanreiKbn=02


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2011年11月13日日曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例6

事件番号 昭和59(オ)544


 事件名 損害賠償


裁判年月日 昭和61年11月04日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


裁判種別 判決


結果 棄却


 集民 第149号71頁


 判示事項 


満一歳の女児の逸失利益を女子労働者の全年齢平均賃金額を基準として算定しても不合理ではないとされた事例




裁判要旨 


昭和五三年八月の交通事故により死亡した満一歳の女児の得べかりし利益の算定に当たり、昭和五七年賃金センサス第一巻第一表の産業計・企業規模計・学歴計の女子労働者の全年齢平均賃金額を基準として収入額を算定したとしても、不合理とはいえない。






(補足意見がある。)


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62941&hanreiKbn=02




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2011年11月11日金曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例5

事件番号 昭和57(オ)219


事件名 損害賠償


裁判年月日 昭和59年10月09日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


裁判種別 判決 結果 棄却


 集民 第143号49頁


 判示事項 


不法行為により死亡した者の得べかりし普通恩給の受給利益喪失に基づく損害賠償債権は相続の対象となるか




裁判要旨 


不法行為により死亡した者の得べかりし普通恩給の受給利益喪失に基づく損害賠償債権は、相続の対象となる。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62883&hanreiKbn=02


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2011年11月3日木曜日

成年後見人による遺言の撤回

成年後見人は,遺言を撤回することはできません。

ただし,成年後見人が,遺言と抵触する行為をすることにより,

事実上,遺言が撤回されたのと同様の効果が生じることはあります。


(例)不動産を遺贈する遺言書を作成していたが,

遺言者が認知症になり成年後見人が選任されて,

成年後見人が,介護施設に入所させる資金を捻出するため不動産を売却する場合。


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2011年10月31日月曜日

東日本大震災の被災者である相続人の方々へ ~特例法により延長された相続放棄等の熟慮期間は,平成23年11月30日までです。~

東日本大震災の被災者である相続人の方々へ 

~特例法により延長された相続放棄等の熟慮期間は,
平成23年11月30日までです。~

法務省HP
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00109.html


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2011年10月28日金曜日

遺言書の内容と異なる遺産分割をした場合の贈与税

遺言書の内容と異なる遺産分割をした場合でも,

受遺者である相続人から他の相続人に対して贈与があったものとして,

贈与税が課されることはないようです。

国税庁タックスアンサー
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4176.htm


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2011年10月26日水曜日

欠格の宥恕を認めた裁判例

欠格の宥恕を認めた裁判例

広島家呉支審平成22年10月5日(家月63巻5号62頁)

兄が弟を殺害し,懲役10年の刑に処せられた。

その後,その兄弟の父が死亡した。

本来であれば,殺人犯の兄(被相続人の子)は,

父の相続につき同順位者である弟(被相続人の子)を故意に死亡させたので,

民法891条1号により,相続人の欠格事由に該当します。

しかし,被相続人である父の相続につき,

被相続人である父が欠格の宥恕をしたとして,

相続人としての資格が認められました。

被相続人である父が,

刑事裁判において,寛大な刑が下されることを求め,かつ,何回か刑務所を訪ね,出所後の生活を案じたことなどが,宥恕として評価されたようです。


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2011年10月22日土曜日

遺言による相続登記2

 平成23年02月22日  最高裁判所第三小法廷 判決 は,


「遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,
 
当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,
 
当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,
 
遺言者が,上記の場合には,当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはない。 」
 
と,判断しました。

上記最高裁判決について,

登記研究第763号 163頁~169頁 カウンター相談227)によると,



登記実務の観点からは,遺言書以外の証拠に基づいて,特段の事情があることを判断することは,相当困難なものと考えられます。」
 
とのことです。
 
 したがって,法務局は遺言書以外の証拠を採用してくれる可能性は「ほとんどない」ということになります。

完璧な遺言書を作成しておかないと,
 
当該遺言に基づく相続登記の申請は却下されてしまいますので,
 
遺言書作成の際は,専門家に必ず相談しましょう。
 
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遺言による相続登記

不動産登記を取り扱う「法務局」という役所は,


非常に保守的です。


当然ながら,自筆証書遺言に法的不備があった場合は,


当該遺言に基づく相続登記の申請は却下されます。


さらに,自筆証書遺言の趣旨・内容が曖昧な場合についても,


却下されます。


法務局のOBの司法書士に伺いましたが,


「山のように自筆証書遺言を却下した。」と,おっしゃっていました。




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2011年10月1日土曜日

遺族厚生年金と内縁の配偶者

遺族厚生年金を

内縁の配偶者(事実上の婚姻関係のある者)が,受給するには,

老齢年金の受給者の死亡当時,

事実上の婚姻関係があり,

かつ,

生計が維持されていたことが必要です。


*下記の場合は,事実上の婚姻関係があったとは言えません。

婚姻について法的障碍が何らなく,また,具体的な周囲の反対などがあったのではないにもかかわらず,婚姻をせず,同居を阻む真にやむを得ない事情がないにもかかわらず,同居しておらず,夫婦同様の協力扶助義務などの履行があったとも認められず,近隣関係,親戚関係,その他の関係において両者が夫婦同然に振るまい,周囲も両者を夫婦同様とみていたということも言えない場合。

なお,家庭裁判所で,

内縁の配偶者死亡による財産分与の調停が成立していたとしても,

家庭裁判所の実務においては,,

内縁関係の存在に疑問がある場合でも,当事者間の財産関係の清算に関する紛争解決手段として,広く財産分与制度を活用しているので,

上記調停が内縁関係を前提としていたとしても,

保険者や社会保険審査会は,

上記調停の内容には拘束されず,内縁関係の事実の有無を独自に調査します。

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2011年9月25日日曜日

(札幌)相続放棄と日常家事債務


札幌,岩見沢,室蘭,小樽,滝川,浦河,岩内,夕張,静内の各家庭裁判所の相続放棄の申述書の作成

<北海道内や札幌市内だけでなく,全国対応しております。>
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被相続人の債務につき,

相続人は,相続放棄をすれば債務を免れます。

しかし,日常家事の債務(夫婦共同生活に必要とされる債務)については,

夫と妻の連帯債務になりますので,

夫が死亡し,妻が相続放棄をしても,

妻は日常家事の債務については,債務を免れることができません。


*どういう債務が,日常の家事の債務に該当するかは,

各家庭の社会的地位や経済状態,取引の種類や金額によって,

個別具体的に判断することになります。


賃借人死亡時の滞納賃料

①相続時に賃借人がすでに滞納していた賃料については,


各共同相続人が,それぞれ滞納賃料合計を法定相続分に応じて分割した金額を支払う義務があります。


②相続後に発生する賃料については,

 各共同相続人につき,それぞれが全額を支払う義務があります。
 (一人が,家主に全額支払えば,他の人は支払義務を逃れます。全額払った人は,他の人に法定相続分に応じて,立て替えた金額を請求できます。)





判例(大判大11年11月24日民集1巻670頁)が,

可分債務ではなく,不可分債務であると判断しているからです。

←当然ながら,賃貸人は,滞納家賃の合計金額を超えて受領することはできません。






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2011年9月19日月曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例4

事件番号 昭和55(オ)82


事件名 損害賠償


裁判年月日 昭和58年04月19日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


裁判種別 判決 結果 破棄差戻し


 民集 第37巻3号321頁


判示事項 


労働者災害補償保険法による障害補償一時金及び休業補償給付を被災労働者の慰藉料から控除することの可否




裁判要旨 


労働者災害補償保険法による障害補償一時金及び休業補償給付は、被災労働者の精神上の損害を填補するためのものではなく、これを同人の慰藉料から控除すべきではない。




最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=54260&hanreiKbn=02


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2011年9月6日火曜日

遺言と離婚

遺言者が配偶者に不動産を取得させる旨の遺言書を作成したが,

その後,その配偶者と離婚した場合,

法務局は離婚により遺言を撤回したと判断し,

その遺言書に基づく,元配偶者からの不動産の名義変更手続は却下される可能性があるようです。


*なお,生命保険契約については,

生命保険金の受取人の記載が,

「妻 甲野花子」,または「夫 甲野太郎」のように,

続柄と氏名が併記してあった場合,

離婚しても,保険金受取人を変更したとは見なされません。

よって,保険金受取人の変更手続きをしない限り,

元妻(元夫)が生命保険金の受取人になります。


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2011年6月21日火曜日

東日本大震災の被災者である相続人について,相続放棄等の熟慮期間を延長する法律が成立しました

東日本大震災の被災者である相続人について,相続放棄等の熟慮期間を延長する法律が成立しました。


平成23年6月21日に公布、施行されました。 


 特例法は、東日本大震災の被災者であって平成22年12月11日以降に自己のために相続の開始があったことを知った方(相続人)について、


相続の承認又は放棄をすべき期間(以下「熟慮期間」といいます。)を平成23年11月30日まで延長するものです。




特例法が適用されるためには、相続人が東日本大震災の被災者であることが必要です。

したがって,被相続人が,被災者かどうかは無関係で,


各相続人を基準として,特例法の適用の有無が決まりますので,

被災者以外の相続人には,特例法は適用されません。


東日本大震災の被災者とは,


東日本大震災が発生した平成23年3月11日において,


以下の市区町村の区域に住所を有していた方をいいます。






この区域は、東日本大震災に際し災害救助法が適用された市区町村の区域から東京都の区域を除いたものです。



岩手県 全市町村


宮城県 全市町村


福島県 全市町村


青森県 八戸市,上北郡おいらせ町


茨城県のうち


水戸市,日立市,土浦市,石岡市,龍ヶ崎市,下妻市,常総市,常陸太田市,高萩市,北茨城市,笠間市,取手市,牛久市,つくば市,ひたちなか市,鹿嶋市,潮来市,常陸大宮市,那珂市,筑西市,稲敷市,かすみがうら市,桜川市,神栖市,行方市,鉾田市,つくばみらい市,小美玉市,東茨城郡茨城町,東茨城郡大洗町,東茨城郡城里町,那珂郡東海村,久慈郡大子町,稲敷郡美浦村,稲敷郡阿見町,稲敷郡河内町,北相馬郡利根町


栃木県のうち


 宇都宮市,小山市,真岡市,大田原市,矢板市,那須塩原市,さくら市,那須烏山市,芳賀郡益子町,芳賀郡茂木町,芳賀郡市貝町,芳賀郡芳賀町,塩谷郡高根沢町,那須郡那須町,那須郡那珂川町


千葉県 のうち


千葉市美浜区,旭市,習志野市,我孫子市,浦安市,香取市,山武市,山武郡九十九里町


新潟県 のうち


十日町市,上越市,中魚沼郡津南町


長野県 のうち


下水内郡栄村


ただし,平成23年11月30日までであっても

すでに単純承認をした場合や、

相続財産の全部又は一部を処分していた場合には、

もはや相続の放棄や限定承認をすることはできませんので注意してください

なお,相続の放棄や限定承認をするには,平成23年11月30日までに家庭裁判所への申し立てが必要になります。




詳しくは,法務省HP
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00092.html


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2011年6月20日月曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例3

事件番号 昭和50(オ)656


事件名 損害賠償


裁判年月日 昭和53年10月20日


法廷名 最高裁判所第二小法廷 裁判種別 判決


結果 その他


 民集 第32巻7号1500頁


 判示事項 


一 死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定と将来得べかりし収入額から養育費を控除することの可否




二 将来得べかりし利益を事故当時の現在価額に換算するための中間利息控除の方法とライプニツツ式計算法


裁判要旨 


一 交通事故により死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定については、幼児の損害賠償債権を相続した者が一方で幼児の養育費の支出を必要としなくなつた場合においても、将来得べかりし収入額から養育費を控除すべきではない。




二 ライプニツツ式計算法は、交通事故の被害者の将来得べかりし利益を事故当時の現在価額に換算するための中間利息控除の方法として不合理なものとはいえない。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=53250&hanreiKbn=02


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2011年6月17日金曜日

相続放棄の判断期限を11月末まで延長…特例法

相続放棄の判断期限を11月末まで延長…特例法

延期は、東日本大震災で災害救助法が適用された岩手、宮城、福島3県全域と青森、茨城、栃木、千葉、新潟、長野県の一部。


2011年6月17日11時16分
読売新聞HP
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110617-OYT1T00371.htm
 
 
 
相続猶予の特例法成立 被災者向け、11月末まで
 
2011.6.17 22:27
 
産経新聞HP
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110617/dst11061722280040-n1.htm
 
 
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逸失利益,損益相殺に関する判例2

事件番号 昭和50(オ)621


事件名 損害賠償


裁判年月日 昭和52年10月25日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


裁判種別 判決


結果 その他


 民集 第31巻6号836頁




判示事項


 労働者災害補償保険法又は厚生年金保険法に基づく保険給付の確定と受給権者の使用者に対する損害賠償債権額から将来の給付額を控除することの要否




裁判要旨 


労働者災害補償保険法又は厚生年金保険法に基づき政府が将来にわたり継続して保険金を給付することが確定していても、いまだ現実の給付がない以上、将来の給付額を受給権者の使用者に対する損害賠償債権額から控除することを要しない。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=53249&hanreiKbn=02


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2011年6月9日木曜日

東日本大震災による災害により行方不明となった者にかる遺族厚生年金等の請求があった場合の取扱いについて

東日本大震災による災害により行方不明となった者にかる遺族厚生年金等の請求があった場合の取扱いについて

(平成23年6月7日)



厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001erdk.html
 
 
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2011年6月5日日曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例

事件名 損害賠償請求


 裁判年月日 昭和50年10月21日


法廷名 最高裁判所第三小法廷


裁判種別 判決


結果 棄却


 集民 第116号307頁


判示事項 


地方公務員等共済組合法に基づく退職年金の性格




裁判要旨 


地方公務員等共済組合法に基づく退職年金は、当該公務員本人及びその収入に依存する家族に対する生活保障のみならず損失補償の性格を有する。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=66796&hanreiKbn=02

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2011年4月21日木曜日

生命保険に関する判例19

生命保険金と損益相殺に関する判例

本判決およびその後の最高裁判決により,

現在では,生命保険,損害保険,傷害保険を問わず,

保険金は,損益相殺の対象にはならないと解されています。
ーーーーーーーーーーー




事件番号 昭和39(オ)328




事件名 損害賠償請求


裁判年月日 昭和39年09月25日


法廷名 最高裁判所第二小法廷  判決


 民集 第18巻7号1528頁


判示事項


不法行為による死亡に基づく損害賠償額から生命保険金を控除することの適否。




裁判要旨


生命保険金は、不法行為による死亡に基づく損害賠償額から控除すべきでない。




最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=53910&hanreiKbn=01


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生命保険に関する判例18

保険金受取人の指定と相続財産に関する判例

Aが養老保険につき,

被保険者をA,

保険金受取人は,保険期間満了の場合はA,被保険者死亡の場合は相続人,

との内容の保険契約をしていたところ,

Aは,相続人ではないBに対し,Aの所有財産の全部を包括遺贈しました。

その後,Aは死亡しましたが,

保険金受取人は,包括受遺者のBになるのか,Aの相続人になるのか,で争いになった事案です。

判決は,本件事案では,保険金受取人はAの相続人であると判断しました。
ーーーーーーーーーー




事件番号 昭和36(オ)1028




事件名 保険金請求


裁判年月日 昭和40年02月02日


法廷名 最高裁判所第三小法廷  判決


 民集 第19巻1号1頁




判示事項


一 保険金受取人を「被保険者死亡の場合はその相続人」と指定したときの養老保険契約の性質。






二 前項の場合における保険金請求権の帰属。






裁判要旨


一 養老保険契約において被保険者死亡の場合の保険金受取人が単に「被保険者死亡の場合はその相続人」と指定されたときは、特段の事情のないかぎり、右契約は、被保険者死亡の時における相続人たるべき者を受取人として特に指定したいわゆる「他人のための保険契約」と解するのが相当である。






二 前項の場合には、当該保険金請求権は、保険契約の効力発生と同時に、右相続人たるべき者の固有財産となり、被保険者の遺産より離脱しているものと解すべきである。




最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=57731&hanreiKbn=01


ーーーーー
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生命保険に関する判例17

保険金受取人による被保険者故殺に関する判例

本判決によると,保険金受取人が,被保険者を故意に死亡させた場合は,

保険金受取人が保険契約の存在を知らなかったとしても,

保険金受取人に保険金の取得目的がなかったとしても,

保険会社は保険金の支払いを免れます。


ーーーーーーーーーー


事件番号 昭和41(オ)933




事件名 生命保険金請求


裁判年月日 昭和42年01月31日


法廷名 最高裁判所第三小法廷  判決


民集 第21巻1号77頁




判示事項


殺害者に保険金取得の意思のない場合と商法第六八〇条第一項第二号の適用






裁判要旨


保険金受取人が、被保険者を殺害し、その直後に自殺を遂げ、殺害当時保険金取得の意図を有しなかつたときでも、保険者は、保険金支払の責を免れる。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=54050&hanreiKbn=01


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生命保険に関する判例16

保険金請求権と滞納処分に関する判例

なお,一般的に保険金請求権は,

保険事故の発生前でも,

差し押さえることができると解されています。


ーーーーーーーーー


事件番号 昭和44(オ)1129




事件名 保険金請求


裁判年月日 昭和45年02月27日


法廷名 最高裁判所第二小法廷  判決


 集民 第98号313頁




判示事項


生命保険契約に基づく保険金請求権と滞納処分による差押






裁判要旨


保険事故が発生して具体化している生命保険契約に基づく保険金受取人の保険金請求権は、通常の金銭債権として、国税または地方税に関する滞納処分による差押の対象となりうる。




最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=66705&hanreiKbn=01


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生命保険に関する判例15

生命保険契約に付加された特約の給付金と損益相殺に関する判例

被害者が加害者に対し直接請求する損害賠償金額が減少するのは,

損益相殺と保険代位は共通していますが,

損益相殺の場合,

加害者の損害賠償金額が全体として減少するのに対し,

保険代位の場合,

加害者は,被害者から請求されないが,代わりに保険会社から請求されるため,

加害者の損害賠償金額は全体として減少しません。

判決は,本件事案では,損益相殺も保険代位も否定し,被害者の損害賠償金額は減少しないとの判断をしました。


ーーーーーー事件番号 昭和54(オ)344




事件名 損害賠償


裁判年月日 昭和55年05月01日


法廷名 最高裁判所第一小法廷  判決


集民 第129号591頁




判示事項


生命保険契約に附加された特約による給付金と商法六六二条の適用の有無






裁判要旨


生命保険契約に附加された特約に基づいて被保険者である受傷者に給付される傷害保険金又は入院保険金については、商法六六二条所定の保険者の代位の制度の適用がなく、右受傷者が保険者から支払を受けた場合であつても、その限度で第三者に対する損害賠償請求権を失うものではない。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=64313&hanreiKbn=01


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