2013年9月24日火曜日

墓地使用契約の解約

墓地使用契約を解約する場合ですが,

墓地使用契約の契約内容にもよりますが,通常は下記のとおりになっています。

*借主は墓地使用権を買った人=消費者,貸主は墓地使用権を売った人=業者のことです。

墓地使用権は,永代使用権ともいいます。


①借主の都合により,墓地用契約を解約する場合は,借主が支払った墓地使用料(=墓地使用権の取得の対価)は,返還されません。

クーリングオフが適用される場合や業者に法律違反があった場合は,墓地使用料は返還されます。

*一般的な墓地使用契約には,墓石などが未設置の更地のままの状態であり,解約が契約締結時より一定期間内であれば,墓地使用料の一定金額を返還するとの規定があります。

②毎月の管理料を支払う場合,管理料の前納分は返還されます。

③墓石などを設置していた場合は,借主が費用を負担して更地の状態にする必要があります。


したがって,墓地使用契約を解約する場合,墓地使用料は返還されませんし,墓石撤去費用なども負担しなくてはなりません。

なお,管理料を一定額以上滞納すると,貸主によって墓地使用契約は解約され,墓石などは撤去されます。当然,墓石の撤去費用は借主に請求されます。


*墓地使用契約を締結する場合は,その後の管理および解約のことも想定しましょう。


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相続人なき遺産、最多 昨年度、375億円が国庫へ 身寄りない高齢者増

相続人なき遺産、最多 昨年度、375億円が国庫へ 身寄りない高齢者増


2013年9月22日

相続人がおらず、死後に国に入った財産の総額が2012年度に375億円に上り、記録の残る1992年度以降で最高額を更新したことが、最高裁のまとめでわかった。身寄りのないお年寄りの増加などを背景に、行き場のない財産が増えている。

 配偶者や子どもら相続人がいなかったり、相続人が相続できる…

朝日新聞HP
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201309210637.html


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なお,最高裁判所が統計を出している理由は,

相続人が不存在なので,家庭裁判所で相続財産管理人の選任しているからです。

相続財産管理人が,相続債権者及び受遺者に弁済をし,さらに特別縁故者に対して相続財産の分与をし,それでも残った遺産を国庫に帰属させます。

したがって,相続財産管理人を選任していない相続事件の遺産については,国庫に帰属する手続をしていないので,国庫に帰属することなく放置されていることになります。

実数としては,相続人なき遺産はもっと多額になります。



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2013年9月18日水曜日

遺骨は祭祀主宰者に帰属します。

遺骨は,慣習に従って祭祀を主宰すべき者(祭祀主宰者)に帰属します(最判平元年7月18日)。


夫の死亡後に妻が姻族関係終了の意思表示をした場合,

民法751条2項に基づき民法769条1項により,

氏を改めた妻が祭祀主宰者の地位を承継していた場合は,

当事者その他の関係人の協議(または家庭裁判所)で,祭祀主宰者を承継すべき者を定めることになります。

つまり,夫の遺骨は,妻ではなく,あらたに祭祀主宰者を承継すべき者に帰属することになります。

よって,妻はあらたな祭祀主宰者から夫の遺骨の引渡しを請求された場合は,理論上は拒絶できないことになります。


*上記は,「○○小町の死亡した夫の法事をしたくなければ,姻族関係終了の意思表示をすれば良い。」との素人の安易な回答をヒントに作成してみました。

なお,法事などをしない場合は,お寺との檀家契約終了に至り,お墓の撤去なども必要になることがあるので注意が必要です。



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2013年9月14日土曜日

保証人が主たる債務者を相続したことに関する判例

事件番号 平成23(受)2543
事件名 求償金請求事件
裁判年月日 平成25年09月13日 最高裁判所第二小法廷 判決
結果  破棄自判

 裁判要旨
 保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有する


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83563&hanreiKbn=02


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2013年9月4日水曜日

民法900条4号ただし書前段(非嫡出子の相続分)を憲法14条1項違反とした判例



事件番号
 平成24(ク)984
事件名
 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
裁判年月日
 平成25年09月04日 最高裁判所大法廷 決定
結果
 破棄差戻し
裁判要旨
 1 民法900条4号ただし書前段の規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していた
2 本決定の違憲判断は,平成13年7月当時から本決定までの間に開始された他の相続につき,民法900条4号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産分割審判等の裁判,遺産分割協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさない  


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83520&hanreiKbn=02


なお,金築誠志,千葉勝美,岡部喜代子の各補足意見があります。



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