2013年12月11日水曜日

性別の取扱いの変更の審判を受けた者の子に関する判例

事件番号
 平成25(許)5
事件名
 戸籍訂正許可申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
裁判年月日
 平成25年12月10日 最高裁判所第三小法廷 決定  破棄自判


判示事項
裁判要旨

 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子は,妻との性的関係の結果もうけたものであり得なくても,夫の子と推定される

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83810&hanreiKbn=02


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2013年11月30日土曜日

遺産共有と物権共有が併存している土地の共有関係解消の方法

事件番号
 平成22(受)2355
事件名
 共有物分割等請求事件
裁判年月日
 平成25年11月29日 最高裁判所第二小法廷 判決
判示事項
裁判要旨


 1 共有者が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消のために裁判上採るべき手続は共有物分割訴訟であり,その判決で遺産共有持分を有する者に分与された財産は遺産分割の対象となり,この財産の共有関係の解消は遺産分割による 
 
2 遺産共有持分の価格を賠償させる方法による共有物分割の判決がされた場合には,賠償金の支払を受けた者は,これをその時点で確定的に取得するものではなく,遺産分割がされるまでの間これを保管する義務を負う 
 
3 裁判所は,遺産共有持分の価格を賠償させる方法による共有物分割の判決をする場合には,同持分を有する各共有者において遺産分割がされるまで保管すべき賠償金の範囲を定め,持分取得者にその範囲に応じた賠償金の支払を命ずることができる 


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83773&hanreiKbn=02


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2013年11月21日木曜日

不動産の生前贈与による相続紛争の防止

遺言によって,相続紛争を防止する方法もありますが,

被相続人(遺言者)の死亡=相続発生ですので,

死亡後に遺言者の希望が貫徹される保障はありません。


そこで,被相続人の生前に相続紛争を防止する方法があります。

生前に相続時精算課税制度(2500万円まで特別控除)を利用して,

あとを次いで欲しい相続人に対して不動産を贈与します。

相続開始時には,預貯金が主たる遺産として残るようにします。

預貯金は可分債権ですので,

相続人全員で遺産分割協議をしなくても,相続人が単独で銀行に対して法定相続分を請求することができます(遺産分割協議を経由した場合と比較して手続的負担は生じます)。

不動産をもらっていない相続人が遺産分割調停の申立てをしても,

預貯金は可分債権ですので,遺産分割調停・審判の対象になりません。

また,不動産をもらっていない相続人が不動産の贈与に対して特別受益の主張をしても,遺産分割調停・審判の対象となる遺産がなく,持ち戻される財産がないので,無意味な主張になります。

ただし,相続開始時の預貯金が少なく,贈与された不動産により遺留分の侵害が生じている場合は,遺留分減殺請求訴訟のなかで,特別受益を加味した遺留分の計算がおこなわれることになります。

(例)不動産の価格は1200万円,預貯金1200万円,子Aと子Bが相続人の場合。

不動産を子Aに贈与して,相続開始時の預貯金を子Aと子Bが600万円ずつ可分債権として法定相続すると,

全体の遺産は2400万円で,子の遺留分は4分の1=600万円となり,Bの遺留分を侵害していないことになるので,

Aは,Bとの遺産分割協議をすることなく,1200万円の不動産と預貯金600万円を確保することができます。


なお,不動産の贈与に対して不動産取得税や登録免許税が課税されますので,

相続時精算課税制度の利用前に,

贈与税の暦年課税110万円の基礎控除を利用して,受贈者に対して納税資金を贈与しておく方法が考えられます。



*上記の方法は,あくまで単純化した例ですので,必ず専門家に相談して下さい。


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2013年11月8日金曜日

法定相続人よりも内縁の配偶者を優先した最高裁判例(交通事故)


内縁の妻は,内縁の夫の収入によって生計が維持されていたところ,

内縁の夫が交通事故で死亡したため,

国が自賠法七二条一項に基づき,

内縁の妻および法定相続人である上告人(内縁の夫の妹2名)に対して,それぞれ保障金を支払った。

法定相続人である上告人が,内縁の妻は被害者には当たらないとして,国に対して訴訟を提起した。


*内縁の妻は,法律婚の夫と死別後,内縁の夫と結婚式を挙げ,同居していたようです。


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裁判年月日 平成5年04月06日 最高裁判所第三小法廷 判決  民集 第47巻6号4505頁


判示事項

 一 内縁の配偶者と自動車損害賠償保障法七二条一項にいう「被害者」 
 
二 自動車損害賠償保障法七二条一項により死亡者の相続人に損害をてん補すべき場合に既に死亡者の内縁の配偶者が同条項によりてん補を受けた扶養利益の喪失に相当する額を死亡者の逸失利益の額から控除することの要否

裁判要旨

 一 内縁の配偶者は、自動車損害賠償保障法七二条一項にいう「被害者」に当たる。 
 
二 自動車損害賠償保障法七二条一項により死亡者の相続人に損害をてん補すべき場合において、既に死亡者の内縁の配偶者が同条項により扶養利益の喪失に相当する額のてん補を受けているときは、右てん補額は、相続人にてん補すべき死亡者の逸失利益の額からこれを控除すべきである。



最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=53372&hanreiKbn=02


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2013年11月3日日曜日

遺産分割協議書の文言


最近,税理士が著者の2冊の本を読みました。

いずれの本も,民法の部分については,難があると感じました。

両方の本を読んで,共通事項として気になった部分がありました。


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遺産分割協議書の条項として,

「その他被相続人の一切の財産は,相続人○○が相続する。」

または,

「前各号により分割した遺産以外の財産および将来に発見されたる財産は,相続人○○が取得するものとする。

と記載しておけば,

遺産分割協議書に記載されていない財産が発見された場合に,あらためて遺産分割協議をしなくても良いので,お勧めします。

と,書いてありました。

上記のような条項があれば,遺産分割が未分割とはならず,相続税において不利な扱いにならない,と書いてあったような気がします。


しかし,民法上は,重要な財産が遺産分割協議書に明示されていない場合は,遺産分割協議が錯誤により無効となる可能性があります。

そもそも,上記のような条項がある遺産分割協議書を提示されたとしても,取得者以外の相続人は,はんこを押さない可能性が高いと思います。


遺産分割協議書に記載された以外にめぼしい財産がないということが,ほぼ確定している場合や,

夫が死亡して,妻が取得者になる場合であれば,

その他の相続人も納得しやすいかもしれません。


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2013年11月1日金曜日

代償金の支払いに対して,贈与税が課税される場合




被相続人 父

相続人 子A,子B

相続財産 現金        1000万円

死亡保険金(受取人 子A) 4000万円  


子Aは死亡保険金4000万円を受け取り,子Bは現金1000万円を受けとりました。

子Aと子Bが,上記の財産を均等に取得するために,子Aが子Bに対して,代償金として1500万円を支払った場合。

子Aが受けとった死亡保険金4000万円は,民法上の相続財産ではなく,子A固有の財産となります。したがって,子Aと子Bの遺産分割の対象となるのは,現金1000万円のみです。

死亡保険金は遺産分割の対象ではないので,子Aが子Bに対して代償金を支払っているにもかかわず,子Aは代償金に対応する相続財産を子Bからまったく取得していないことになります。

下記の参照文献によると,本問の場合は,代償金1500万円全額を子Aが子Bに贈与したことになり,子Bには贈与税が課税されるとの結論を示していました。


ところで,平成16年10月29日 最高裁判所第二小法廷 決定 民集 第58巻7号1979頁 は,

「被相続人を保険契約者及び被保険者とし,

共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は,

民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが,

保険金の額,この額の遺産の総額に対する比率,保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係,各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して,

保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には,

同条の類推適用により,特別受益に準じて持戻しの対象となる。」


と判断しています。


つまり,生命保険金が,特段の事情によって特別受益に準じて持戻しの対象となる場合は,

代償金の支払いがあっても,代償金の受取人に贈与税は課税されないと解されます。

本問では,生命保険金の割合が,全財産5000万円のうち4000万円(80%)を占めているので,

諸般の事情にもよりますが,

特別受益に準じて持戻しの対象となる可能性が高く,

私見としては,代償金を受けとった子Bに対して,贈与税が課税されない可能性も充分あると思います。




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『説例解説 遺産分割と相続発生後の対策 五訂版』

(中川 昌泰 監修  遺産分割研究会 編)

<大蔵財務協会>

P390

「6-6 本来の取得財産価額を超える代償金を交付すると相手方にその超過金額に対する贈与税が課される」

を参考にしました。


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2013年9月24日火曜日

墓地使用契約の解約

墓地使用契約を解約する場合ですが,

墓地使用契約の契約内容にもよりますが,通常は下記のとおりになっています。

*借主は墓地使用権を買った人=消費者,貸主は墓地使用権を売った人=業者のことです。

墓地使用権は,永代使用権ともいいます。


①借主の都合により,墓地用契約を解約する場合は,借主が支払った墓地使用料(=墓地使用権の取得の対価)は,返還されません。

クーリングオフが適用される場合や業者に法律違反があった場合は,墓地使用料は返還されます。

*一般的な墓地使用契約には,墓石などが未設置の更地のままの状態であり,解約が契約締結時より一定期間内であれば,墓地使用料の一定金額を返還するとの規定があります。

②毎月の管理料を支払う場合,管理料の前納分は返還されます。

③墓石などを設置していた場合は,借主が費用を負担して更地の状態にする必要があります。


したがって,墓地使用契約を解約する場合,墓地使用料は返還されませんし,墓石撤去費用なども負担しなくてはなりません。

なお,管理料を一定額以上滞納すると,貸主によって墓地使用契約は解約され,墓石などは撤去されます。当然,墓石の撤去費用は借主に請求されます。


*墓地使用契約を締結する場合は,その後の管理および解約のことも想定しましょう。


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相続人なき遺産、最多 昨年度、375億円が国庫へ 身寄りない高齢者増

相続人なき遺産、最多 昨年度、375億円が国庫へ 身寄りない高齢者増


2013年9月22日

相続人がおらず、死後に国に入った財産の総額が2012年度に375億円に上り、記録の残る1992年度以降で最高額を更新したことが、最高裁のまとめでわかった。身寄りのないお年寄りの増加などを背景に、行き場のない財産が増えている。

 配偶者や子どもら相続人がいなかったり、相続人が相続できる…

朝日新聞HP
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201309210637.html


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なお,最高裁判所が統計を出している理由は,

相続人が不存在なので,家庭裁判所で相続財産管理人の選任しているからです。

相続財産管理人が,相続債権者及び受遺者に弁済をし,さらに特別縁故者に対して相続財産の分与をし,それでも残った遺産を国庫に帰属させます。

したがって,相続財産管理人を選任していない相続事件の遺産については,国庫に帰属する手続をしていないので,国庫に帰属することなく放置されていることになります。

実数としては,相続人なき遺産はもっと多額になります。



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2013年9月18日水曜日

遺骨は祭祀主宰者に帰属します。

遺骨は,慣習に従って祭祀を主宰すべき者(祭祀主宰者)に帰属します(最判平元年7月18日)。


夫の死亡後に妻が姻族関係終了の意思表示をした場合,

民法751条2項に基づき民法769条1項により,

氏を改めた妻が祭祀主宰者の地位を承継していた場合は,

当事者その他の関係人の協議(または家庭裁判所)で,祭祀主宰者を承継すべき者を定めることになります。

つまり,夫の遺骨は,妻ではなく,あらたに祭祀主宰者を承継すべき者に帰属することになります。

よって,妻はあらたな祭祀主宰者から夫の遺骨の引渡しを請求された場合は,理論上は拒絶できないことになります。


*上記は,「○○小町の死亡した夫の法事をしたくなければ,姻族関係終了の意思表示をすれば良い。」との素人の安易な回答をヒントに作成してみました。

なお,法事などをしない場合は,お寺との檀家契約終了に至り,お墓の撤去なども必要になることがあるので注意が必要です。



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2013年9月14日土曜日

保証人が主たる債務者を相続したことに関する判例

事件番号 平成23(受)2543
事件名 求償金請求事件
裁判年月日 平成25年09月13日 最高裁判所第二小法廷 判決
結果  破棄自判

 裁判要旨
 保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有する


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83563&hanreiKbn=02


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2013年9月4日水曜日

民法900条4号ただし書前段(非嫡出子の相続分)を憲法14条1項違反とした判例



事件番号
 平成24(ク)984
事件名
 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
裁判年月日
 平成25年09月04日 最高裁判所大法廷 決定
結果
 破棄差戻し
裁判要旨
 1 民法900条4号ただし書前段の規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していた
2 本決定の違憲判断は,平成13年7月当時から本決定までの間に開始された他の相続につき,民法900条4号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産分割審判等の裁判,遺産分割協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさない  


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83520&hanreiKbn=02


なお,金築誠志,千葉勝美,岡部喜代子の各補足意見があります。



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2013年7月20日土曜日

根抵当権の設定者兼債務者の死亡と根抵当権の元本確定の登記

根抵当権設定者である所有権の登記名義人の氏名及び住所と根抵当権の債務者の氏名及び住所が同一である場合において,

所有権の登記名義人について相続による所有権の移転の登記がされたものの,

6か月以内に根抵当権の債務者の変更の登記及び合意の登記がされていないときは,

他の事由により当該根抵当権の担保すべき元本が確定したことが明らかである場合を除き,

代位弁済を原因とする当該根抵当権の移転の登記は,

当該相続による債務者の変更の登記又は当該根抵当権の元本の確定の登記をした後でなければ,することができない。


『カウンター相談243 登記研究784号 149頁 参照』


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2013年5月26日日曜日

ゆうちょ銀行の戸籍謄本取得書類への雑感

ゆうちょ銀行の相続手続において,

ゆうちょ銀行が交付してくれる

「ゆうちょ銀行(郵便局)の市町村・役所(役場)の戸籍担当職員様へ」

と題する書類のことへの雑感です。


ある相談者が持参されたその書類には,

「被相続人の【出生・16才・婚姻】以降から死亡まで繋がる戸籍謄本」

との部分において,

婚姻に〇がつけられていました。


不動産の相続登記や,他の銀行では,

【出生】以降から死亡までの戸籍謄本を要求するのが原則です。


したがって,ゆうちょ銀行はOKでも,

相続登記や他の銀行の手続のためには,

出生以降からの戸籍謄本を集める必要があるので,

親切なように見えるが,実は親切ではない気がしました。



*通常は,相続登記用1通,各銀行用〇通分の合計〇通の被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集します。

銀行によっては戸籍謄本を原本還付してくれたりする場合もあるので,
戸籍謄本が余ることもあります。

しかし,戸籍謄本に不足が生じた場合は,その分の戸籍謄本を集めなければなりません。

とくに遠隔地の役所に郵送で戸籍謄本を請求する場合は,面倒になります。

なお,経験上から言って,一度で過不足なく戸籍謄本を収集することは,なかなか困難だと思います。


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2013年5月24日金曜日

(札幌 相続放棄) 田舎の不動産(=無価値な不動産)を相続しない方法





札幌,岩見沢,室蘭,小樽,滝川,浦河,岩内,夕張,静内の各家庭裁判所の相続放棄の申述書の作成



<北海道内や札幌市内だけでなく,全国対応しております。>
当事務所(司法書士・行政書士・社会保険労務士)のHP
 札幌市中央区 
 http://ishihara-shihou-gyosei.com
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相続放棄は,プラスの財産もマイナスの財産もすべて放棄することになります。

よって,原則として,特定の財産のみを相続したり,相続しなかったりというような選択をすることはできません。

田舎の不動産(土地・建物)のように,

固定資産税が課税され続ける,買い手が付かない,周辺住民から苦情がくる,老朽化により建物を取り壊さないといけないというような,デメリットがある場合は,

相続発生前に,入念に準備をしておくことで,特定の財産を相続しない方法を選択することも可能となります。

相続発生後では,手遅れです。


相続したことによる,その後の固定資産税の累積額(年額1万としても30年経てば30万円)や建物の管理費用・取壊し費用(取壊し費用は70万円~100万円)などをトータルで考えれば,

結果的に,専門家に報酬を支払ってでも依頼することで,特定の財産を相続しない方が,安くなると考えられます。


当事務所では,特定の財産を相続しない方法を,依頼者ごとに応じて,書類の作成も含めて,具体的にアドバイスしております。

相続発生前の,被相続人がお元気なときが,一番好ましい時期となりますので,ご留意ください。



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2013年5月4日土曜日

死亡による奨学金の返還免除(日本学生支援機構)





平成28年4月23日追記:平成28年熊本地震で被災された方で、奨学金の貸与を希望される方のための特設窓口


緊急・応急採用奨学金を希望される方
(1) 対象者:大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校専門課程の学生(生徒)で、本災害により家計が急変し、奨学金の貸与を希望される方
(2) 申込方法:在学している学校を通じて申し込む。(具体的な申込み方法は、在学されている学校に相談)
(3) 奨学金の種類:第一種奨学金(無利息)、第二種奨学金(利息付)
(4) 緊急・応急採用相談窓口について
   A.設置期間 平成28年4月20日(水曜日)~平成28年4月28日(木曜日)
    (平日8時30分~20時00分)
   B.電話 03-6743-6719(特設窓口)



【奨学金の返還についてのご相談】
平成28年熊本地震で被災された方で、返還期限猶予など奨学金の返還に関する相談については、奨学金返還相談センター(0570-666-301)にご連絡ください


平成27年9月12日追記:平成27年台風第18号等による大雨に係る被害地域の方
災害救助法が適用される地域で,奨学金の返還が困難になった方は,返還期限の猶予制度または減額返還制度を利用できる場合があります。「奨学金返還期限猶予願」に罹災証明書(原本)を添付して、日本学生支援機構に提出してください。


また、災害救助法の適用を受けない近隣の地域で、同等の災害にかかった方並びに同地域に勤務し勤務先が被災して、同等の災害にかかった方についても、返還期限が猶予される場合がありますので、日本学生支援機構へご相談ください。


 減額返還は,願出及び審査の時点で延滞している場合は、利用できません。
延滞を解消することにより願出が可能となります。)




減額返還は、毎月返還する割賦金を減額して、返還期間を延長するものです。返還予定総額が減額されるわけではありません。





●平成27年台風第18号等による大雨に係る被害地域
【茨城県】
古河市、結城市、下妻市、常総市、筑西市、結城郡八千代町、猿島郡境町(第1報、法適用日:平成27年9月9日)

【栃木県】
栃木市、佐野市、鹿沼市、日光市、小山市、下野市、下都賀郡野木町(第2報、法適用日:平成27年9月9日)



平成27年6月15日追記機関保証を利用した場合において,本人が死亡したときは,下記のとおり,全額または一部の額の返済が免除されることがあります。(日本学生支援機構の奨学金の機関保証は,公益財団法人日本国際教育支援協会がおこなっています。)


公益財団法人 日本国際教育支援協会HP
http://www.jees.or.jp/guarantee/index.htm


3.代位弁済後の返済猶予、返済免除

 本協会の機関保証には、他の保証機関にはない制度として、代位弁済後における返済期限の猶予及び返済の免除制度があります。返済期限の猶予は、返済が困難であると本協会が認めた場合、返済の期限が猶予される制度です。また、返済の免除は本人が死亡又は精神若しくは身体の障害により返済ができなくなったときに、返済未済額の全額又は一部の額が免除されることがある制度です。なお、いずれの制度もご利用には願い出が必要です。


平成26年4月3日追記:日本学生支援機構は,平成26年4月1日から奨学金の返還制度について変更をしています。

変更点は,下記のとおりです。

1.延滞金の賦課率の引き下げ

2.返還期限猶予制度の適用年数の延長

3.減額返還制度及び返還期限猶予制度の基準の緩和 

4.延滞者への返還期限猶予の適用(申請月において真に返還が困難な方が対象です)

5.減額返還制度の申し込みに係る提出書類の簡素化


よって,免除についての変更点はありません。


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死亡による奨学金の返還免除(日本学生支援機構)


奨学金を借りていた人が,不幸にも交通事故・病気・自殺などでお亡くなりになることがあります。

奨学金には,死亡による返還免除の制度が設けられています。




*死亡・心身障害免除の適用状況ですが,下記のとおりです(文部科学省 平成24年6月 (独)日本学生支援機構(JASSO)奨学金貸与事業の概要より抜粋) 。
平成20年度は1264件(17億円)
平成21年度は1289件(19億円)
平成22年度は 953件(15億円)


1 奨学金の返還免除を受けるには,相続人又は連帯保証人が,日本学生支援機構に対し,返還免除の願出をしなければなりません。


2 死亡した者については,死亡事由を問わず,奨学金の返還が全額免除されるようです(*根拠条文に死亡した者の奨学金の返還を免除すると明示されているわけではありません。)。
【平成27年1月26日,上記記事を下記に訂正します。】


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
「奨学金問題に関するQ&A」(日本司法書士会連合会 平成27年1月26日)によりますと,
Q10
返還が免除される場合がありますか。その例として、どのような場合がありますか。
A10
返還が免除される例としては、
①略
②略

③略

(参考)本人が死亡した場合の返還免除制度と保証人
本人が死亡した場合、保証人は当然には返還免除となるわけではないようです。以前は、本人名の死亡届が提出されると連帯保証人と保証人も自動的に返還免除とされていたようです。

しかし、現在では、「返還免除願」を提出し、保証人が返還できない理由(例えば「年金生活等」)が認められると、免除となる扱いがなされているようです。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

*施行令7条は,「死亡した者については,・・・免除することができる。」との規定になっています。つまり,「免除する。」や「免除しなければならない。」とは規定されていないことから,死亡によって当然に免除になるわけではなく,日本学生支援機構に対して返還免除の願出をしなければなりません。

3 ただし,死亡時において,すでに延滞していた額は,真にやむを得ない事由がある場合でなければ免除されません(返還免除に関する施行細則5条)。

*日本学生支援機構は,延滞を解消しないと,死亡による返還免除を認めない,というような記事があります。

『支援機構には「死亡免除」規程があるが、「手続きがされていない」「延滞した場合は適用できない」などと拒否、全額返せと言い張るばかり』
My News Japan HP
http://www.mynewsjapan.com/reports/1983


4 なお,精神若しくは身体の障害により労働能力を喪失、又は労働能力に高度の制限を有し、返還ができなくなったときも,全部又は一部が免除されます(業務方法書25条
  ただし,「各号の障害は,症状が固定し,又は回復の見込みのないものに限る。」との注意書きがあるので,精神障害の場合は,現時点での回復の見込みについては不明ですので,まず返還猶予の申請することになると思われます。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
【平成27年1月26日,「奨学金問題に関するQ&A」(日本司法書士会連合会 平成27年1月26日)の記載をふまえた結果,
下記の「死亡した者の全額免除になる根拠」を,全部削除します。


削除の理由ですが,免除について2つのパターンが考えられます。
パターン①死亡した者の奨学金の返還は免除する(相続人は返還債務を相続しない。)が,保証人は当然に免除されない。
パターン②死亡した者の奨学金の返還も当然に免除されない(相続人が返還債務を相続する。)し,保証人も当然に免除されない。
ふつうは,パターン①のように考えてしまうでしょう。
しかし,法律上の原則である保証債務の附従性が適用される結果,主たる債務者(奨学金を借りていた人=死亡した者)が免除された場合は,保証人についても当然に免除されなければなりません(厳密には免除されるというよりも,当然に消滅することになります)。
なぜか,日本学生支援機構は,保証人を当然に免除しない取り扱いのようです。そうなると,パターン②のように考えることになります。つまり,保証人が免除されない間は,相続人も免除されないということです。


保証人が免除されずに,代わりに返済した場合は,保証人は立て替え払いしたことになります。保証人は相続人に対して,立て替えた金額の支払いを請求してきます。相続放棄をしていれば,保証人からの支払い請求に応じる必要はありません。


よって,相続人は相続放棄をした方が,安全ということになります。なお,日本学生支援機構の保証人に対する返還免除の審査期間と相続放棄の熟慮期間(通常は,相続発生を知ったときから3ヵ月。)とは,無関係ですので,審査期間分だけ熟慮期間が延長されるわけではありません。


(*労働災害による死亡の場合は,相続放棄をすると,遺族は,勤務先の会社に対して損害賠償請求ができなくなります。交通事故による死亡の場合も,相続放棄をすると,遺族は,加害者に対して損害賠償請求ができなくなります。ただし,遺族固有の慰謝料を請求できる場合があります。)
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平成27年1月26日 下記は削除します。
*死亡した者の奨学金の返還免除について,死亡事由を問わず,全額免除になる根拠ですが,下記の条文を総合考慮しました。

施行令7条には「死亡した者については,・・・全部又は一部を免除することができる。」と規定されています。

業務方法書25条には,「死亡等による返還免除」との表題になっているにもかかわらず,死亡に関する規定がありません。障害に関しては障害等級に応じて,全部免除または一部免除の区別が規定されています。

奨学規定44条には,返還免除の願い出の添付書類として死亡の戸籍抄本のみが挙げられています。

返還免除に関する施行細則2条には,死亡の場合の書式として様式1-1が規定されています。様式1-1には死亡事由,延滞事由および相続財産などの記載欄がありません。

⑤廃止された従前の返還免除規則2条には,死亡事由または相続人および連帯保証人の返還能力に応じて,免除額を決定するとの規定がありましたが,現行の返還免除に関する施行細則には,そのような記載が一切ありません。


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独立行政法人日本学生支援機構法施行令(一部抜粋)
(平成十六年一月七日政令第二号)



最終改正:平成二五年三月二九日政令第九六号



第七条  死亡した者又は精神若しくは身体障害により労働能力を喪失した者については、その学資金の返還未済額の全部又は一部を免除することができる。

 精神又は身体の障害により労働能力に高度の制限を有する者については、その学資金の返還未済額の部の返還を免除することができる。


 機構は、前二項の規定による学資金の返還の免除につき必要な事項を定め、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 


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独立行政法人日本学生支援機構  業務方法書(一部抜粋)


(平成16 年4月1日文部科学大臣認可)


(平成25 年3月29 日文部科学大臣変更認可)

独立行政法人日本学生支援機構
平成16年4月1日
最終変更 平成25年3月29日


(死亡又は心身障害による返還免除)


第9節 返還免除

(死亡等による返還免除)

第25条 第7条第1項の精神若しくは身体の障害とは,別表第6の第1級の項に掲げる精神又は身体の障害の状態とし,免除する額は返還未済額の全部とする。

2 令第7条第2項の精神又は身体の障害とは,別表第6の第2級の項に掲げる精神又は身体の障害の状態とし,免除する額は返還未済額の4分の3以内の額とする。

(返還免除の願い出)

第27条 令第7条による奨学金の返還免除については,要返還者,連帯保証人又は相続人が,奨学金返還免除願に所定の要件を具備していることを証する書類を添えて理事長に提出することにより願い出るものとする。

2 令第8条第1項による奨学金の返還免除については,奨学生が在学学校長の定める期日までに申請書を在学学校長に提出することにより,願い出るものとする。


別表第6 


第1級

1 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるもの
2 両眼の視力が0.02以下に減じたもの

3 片目の視力を失い,他方の目の視力が0.06以下に減じたもの

4 そしゃくの機能を失ったもの

5 言語の機能を失ったもの

6 手の指を全部失ったもの

7 常に床について複雑な看護を必要とするもの

8 前各号に掲げるもののほか,精神又は身体の障害により労働能力を喪失したもの


第2級


1 両眼の視力が0.1以下に減じたもの

2 鼓膜の大部分の欠損その他の理由により両耳の聴力が耳かくに接しなければ大声を解することができない程度以上のもの

3 そしゃく及び言語又はそしゃく若しくは言語の機能に著しく障
害を残すもの

4 せき柱の機能に著しい障害を残すもの

5 片手を腕関節以上で失ったもの

6 片足を足関節以上で失ったもの

7 片手の三大関節中の二関節又は三関節の機能を失ったもの

8 片足の三大関節中の二関節又は三関節の機能を失ったもの

9 片手の5つの指又は親指及び人差指を併せて4つの指を失ったもの

10 足の指を全部失ったもの

11 せき柱,胸かく,骨盤軟部組織の高度の障害,変形等の理由により労働能力が著しく阻害されたもの

12 半身不随により労働能力が著しく阻害されたもの

13 前各号に掲げるもののほか,精神又は身体の障害により労働能力に高度の制限を有するもの


*備考


1 各号の障害は,症状が固定し,又は回復の見込みのないものに限る。

2 視力を測定する場合においては,屈折異常のものについてはきょう正視力により,視表は,万国式試視力表による。



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○奨学規程(一部抜粋)

独立行政法人日本学生支援機構
平成16年規程第16号
最近改正 平成25年規程第10号


第5章 奨学金の返還免除


(返還免除の願い出)

第44条 令第7条の規定により奨学金の返還免除を受けようとするときは,要返還者又は相続人(第1号に該当する場合に限る。)は,連帯保証人との連署による奨学金返還免除願に,それぞれ次の各号の書類を添えて機構に提出しなければならない。

(1) 死亡によるときは戸籍抄本又は個人事項証明書等の公的な証明書

(2) 精神若しくは身体の障害によるときは次の書類

イ その事実及び程度を証する医師又は歯科医師の診断書
ロ 返還できなくなった事情を証する書類

(返還免除の決定)

第45条 前条の願い出があったときは,これを審査決定し,その結果を要返還者,連帯保証人又は相続人に通知する。



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 独立行政法人日本学生支援機構
 平成17年細則第4号 

死亡又は精神若しくは身体の障害による奨学金返還免除に関する施行細則(一部抜粋)


(返還免除の願い出)


第2条 奨学規程第44条第1号に規定する奨学金返還免除願は,死亡によるときは様式1-1(機関保証制度加入者の場合にあっては,様式1-2)と,精神又は身体の障害によるときは様式2-1(機関保証制度加入者の場合にあっては,様式2-2)とする。

2 奨学規程第44条第2号に規定する診断書は,様式3とする。
(返還免除の審査及び決定)

第3条 精神又は身体の障害による返還免除の願い出にかかる奨学規程第45条に規定する審査において,障害の程度については,提出された診断書に基づき,機構が委嘱している医師の審査を経て決定する。



(延滞額の取扱)

第5条 返還免除を願い出た返還未済額のうち,死亡又は精神若しくは身体の障害により,返還することができなくなった事由が発生したときまでに返還を延滞したは,これを免除しない。ただし,機構が真にやむを得ない事由があると認めたときは,延滞金も含めこれを免除することができる

2 延滞額は,本人と奨学金貸与契約を締結したときの最長返還期間による年賦額を基準として計算する。
  
 





2013年4月3日水曜日

(札幌)相続人に対する特定遺贈+受遺者の相続放棄



<北海道内や札幌市内だけでなく,全国対応しております。>
当事務所(司法書士・行政書士・社会保険労務士)のHP 

http://ishihara-shihou-gyosei.com


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巷では,「相続人に対する相続させる遺言」が主流になっていますが,

相続人に対し,特定遺贈をするという選択肢もあります。

そして,受遺者たる相続人は,相続開始後,家庭裁判所に相続放棄の申述をします。

*この方法を選択する場合は,デメリットがあるので,かならず専門家に依頼して下さい。







2013年3月15日金曜日

逸失利益,損益相殺に関する判例24

事件番号 平成16(受)1888

事件名 損害賠償請求事件

裁判年月日 平成17年06月14日

 法廷名 最高裁判所第三小法廷

裁判種別 判決

 結果 破棄差戻し

 民集 第59巻5号983頁

 判示事項 

損害賠償額の算定に当たり被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合


裁判要旨 

損害賠償額の算定に当たり,被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率によらなければならない。

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52406&hanreiKbn=02


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逸失利益,損益相殺に関する判例23

事件番号 平成16(受)29 事件名 

自動車損害賠償保障法に基づく損害てん補請求事件

裁判年月日 平成17年06月02日

法廷名 最高裁判所第一小法廷

裁判種別 判決

結果 その他

 民集 第59巻5号901頁

 判示事項 1 

自動車損害賠償保障法72条1項後段の規定による損害のてん補額支払義務の履行期と履行遅滞


2 自動車損害賠償保障法72条1項後段の規定による損害のてん補額の算定に当たっての過失相殺と国民健康保険法58条1項の規定による葬祭費の支給額の控除との先後

裁判要旨 

1 自動車損害賠償保障法72条1項後段の規定による損害のてん補額支払義務は,期限の定めのない債務であり,政府が被害者から履行の請求を受けた時から履行遅滞となる。

2 自動車損害賠償保障法72条1項後段の規定による損害のてん補額の算定に当たり,被害者の過失をしんしゃくすべき場合であって,国民健康保険法58条1項の規定による葬祭費の支給額を控除すべきときは,被害者に生じた現実の損害の額から過失割合による減額をし,その残額からこれを控除する。

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52408&hanreiKbn=02


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逸失利益,損益相殺に関する判例22

件番号 平成16(受)525

事件名 損害賠償請求事件

裁判年月日 平成16年12月20日

 法廷名 最高裁判所第二小法廷

裁判種別 判決

結果 破棄差戻し

 集民 第215号987頁

 判示事項 

不法行為により死亡した被害者の相続人がする損害賠償請求において当該相続人が受給権を取得した遺族厚生年金を控除すべき逸失利益の範囲


裁判要旨 

不法行為により死亡した被害者の相続人がその死亡を原因として遺族厚生年金の受給権を取得したときは,当該相続人がする損害賠償請求において,支給を受けることが確定した遺族厚生年金を給与収入等を含めた逸失利益全般から控除すべきである。

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62604&hanreiKbn=02


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逸失利益,損益相殺に関する判例21

事件番号 平成11(受)1390

事件名 損害賠償請求事件

 裁判年月日 平成12年11月14日

法廷名 最高裁判所第三小法廷

裁判種別 判決

 結果 その他

 集民 第200号155頁

 判示事項 

不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろういわゆる軍人恩給としての扶助料の逸失利益性


裁判要旨 

不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろういわゆる軍人恩給としての扶助料は、不法行為による損害としての逸失利益に当たらない。

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62430&hanreiKbn=02


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逸失利益,損益相殺に関する判例20

事件番号 平成11(受)257

事件名 損害賠償請求事件

裁判年月日 平成12年11月14日

法廷名 最高裁判所第三小法廷

裁判種別 判決

結果 棄却

 民集 第54巻9号2683頁

 判示事項 

不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう遺族厚生年金の逸失利益性


裁判要旨 

不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう遺族厚生年金は、不法行為による損害としての逸失利益に当たらない。

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52265&hanreiKbn=02

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逸失利益,損益相殺に関する判例19

事件番号 平成11(受)94 事件名 

損害賠償請求事件

裁判年月日 平成12年09月07日

法廷名 最高裁判所第一小法廷

裁判種別 判決

結果 破棄差戻し

 集民 第199号477頁

 判示事項 

不法行為によって扶養者が死亡した場合における被扶養者の将来の扶養利益喪失による損害額の算定方法


裁判要旨

 不法行為によって扶養者が死亡した場合における被扶養者の将来の扶養利益喪失による損害額は、扶養者の生前の収入、そのうち被扶養者の生計の維持に充てるべき部分、被扶養者各人につき扶養利益として認められるべき比率割合、扶養を要する状態が存続すべき期間などの具体的事情に応じて算定すべきである。

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=69637&hanreiKbn=02

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逸失利益,損益相殺に関する判例18

事件番号 平成10(オ)583

事件名 損害賠償請求事件

 裁判年月日 平成11年12月20日

法廷名 最高裁判所第一小法廷 裁判種別 判決

結果 その他

 民集 第53巻9号2038頁

 判示事項 

交通事故の被害者が事故のため介護を要する状態となった後に別の原因により死亡した場合に死亡後の期間に係る介護費用を右交通事故による損害として請求することの可否


裁判要旨 

交通事故の被害者が事故のため介護を要する状態となった後に別の原因により死亡した場合には、死亡後の期間に係る介護費用を右交通事故による損害として請求することはできない。

(補足意見がある。)

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=57036&hanreiKbn=02

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逸失利益,損益相殺に関する判例17

事件番号 平成9(オ)434

事件名 損害賠償請求事件

裁判年月日 平成11年10月22日

法廷名 最高裁判所第二小法廷

裁判種別 判決

結果 その他

 民集 第53巻7号1211頁

判示事項 

一 不法行為により死亡した者の相続人が被害者の得べかりし障害基礎年金及び障害厚生年金を逸失利益として請求することの可否


 二 不法行為により死亡した者の相続人が被害者の得べかりし障害基礎年金及び障害厚生年金についての各加給分を逸失利益として請求することの可否                                                      

 三 障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合にその相続人がする損害賠償請求において当該相続人が受給権を取得した遺族基礎年金及び遺族厚生年金を控除すべき損害の費目

裁判要旨 

一 障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合には、その相続人は、加害者に対し、被害者の得べかりし右各障害年金額を逸失利益として請求することができる。

 二 障害基礎年金及び障害厚生年金についてそれぞれ加給分を受給している者が不法行為により死亡した場合には、その相続人は、加害者に対し、被害者の得べかりし右各加給分額を逸失利益として請求することはできない。

 三 障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合に、その相続人が被害者の死亡を原因として遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得したときは、当該相続人がする損害賠償請求において、支給を受けることが確定した右各遺族年金は、財産的損害のうちの逸失利益から控除すべきである。

最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52613&hanreiKbn=02


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逸失利益,損益相殺に関する判例16

事件番号 平成9(オ)2049

事件名 損害賠償

裁判年月日 平成11年01月29日

 法廷名 最高裁判所第三小法廷

裁判種別 判決

結果 破棄自判

 集民 第191号265頁

 判示事項

 一つの交通事故について甲及び乙が連帯して損害賠償責任を負う場合に乙の損害賠償責任についてのみ過失相殺がされて両者の賠償すべき額が異なるときに甲のした損害の一部てん補が乙の賠償すべき額に及ぼす影響


裁判要旨 
 
一つの交通事故について甲及び乙が被害者丙に対して連帯して損害賠償責任を負う場合において、乙の損害賠償責任についてのみ過失相殺がされ、両者の賠償すべき額が異なるときは、甲がした損害の一部てん補は、てん補額を丙が甲からてん補を受けるべき損害額から控除しその残損害額が乙の賠償すべき額を下回ることにならない限り、乙の賠償すべき額に影響しない
 
最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62819&hanreiKbn=02

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2013年2月23日土曜日

霊柩自動車の運賃及び料金

霊柩自動車の運賃及び料金は、各社ごとに国土交通大臣に届出を行い、その内容が適正であると認められた額が適用されることとなっています。


したがって、霊柩運送事業者が、他人の需要に応じ霊柩自動車でご遺体を搬送する場合は、届出した運賃及び料金が適用されますので、無償(無料)の搬送はありえません。

※ 無償(無料)のご遺体搬送行為は違法です。

(1)霊柩運賃及び料金の計算方法は、ご利用される霊柩自動車の種類(注)や走行距離などによって金額が異なります。原則は、ご利用された霊柩自動車の車庫から起算し、ご遺体の積込み場所(病院や自宅及び葬儀式場)を経て、ご遺体を取卸した場所(自宅や葬儀式場及び火葬場)までの間の走行距離に応じた金額となります。

(注)霊柩自動車の種類 

 1特別車  2普通車


(2)その他運行の内容によってかかる運賃・料金・費用

深夜割増運賃(22:00~5:00までの間待機した)

夜間割増運賃(19:00~22:00までの間待機した)

早朝割増運賃(5:00~8:00までの間待機した)

冬期割増運賃及び料金(運送区間中に冬季割増適用地域に該当する部分がある場合、2割増)

車両留置料金(ご依頼人の都合によって30分以上、車両が待機した場合)

遺骨宅送料(ご遺骨を宅送するため帰路乗車する場合)

2名乗務(長距離搬送等で交替運転者が乗務した場合に1名分の費用)

有料道路料金、フェリーボート料金

その他、霊柩自動車運転者の通常業務の範囲を超えた作業があった場合の費用

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  上記は,一般社団法人 全国霊柩自動車協会HPから引用しました。 


具体的な金額は,各社の国土交通大臣に届け出た金額が異なること,

走行距離を中心に,冬期・夏季,待ち時間などにより異なることから,

実際にお見積もりをしてもらわないと具体的な金額は計算できません。



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