2010年2月26日金曜日

認知症と財産管理

認知症である父の財産を,

同居している子どもが使い込んでいる可能性がある場合,

不適切な財産管理ですので,

家庭裁判所に成年後見の申立てをしましょう。

仮に,成年後見人にその同居の子どもが選任されたとしても,

成年後見人が使い込みをした場合は,

横領罪で逮捕される可能性が生じます。

(成年後見の申立てをしない状態の場合,横領罪で逮捕されないのが原則です。)


成年後見の申立ては,

配偶者,4親等内の親族(子ども,兄弟姉妹,おい,めい等)であれば,可能です。

同居している子どもが,成年後見の申立てに反対しても可能です。

ただし,認知症である父について,原則として

申立て時において,医師の診断書(判断能力の衰えについて)が必要になりますし,

成年後見の申立て後において,家庭裁判所の調査官と面接する必要があります。

したがって,同居している子どもが,父の囲い込みをしている場合や,

父自身が,「認知症ではない。」と言い張って,医師の診断を拒絶する場合は,

事実上,成年後見の申立てが困難になってしまいます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

2010年2月25日木曜日

包括遺贈3

包括遺贈の受遺者は,

相続人と同一の権利義務を有するので,

包括受遺者を除外して,遺産分割協議をすることはできません。

除外した遺産分割協議は,無効です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

2010年2月24日水曜日

(札幌)相続放棄と入院費



札幌,岩見沢,室蘭,小樽,滝川,浦河,岩内,夕張,静内の各家庭裁判所の相続放棄の申述書の作成

【相続放棄の司法書士報酬】

*司法書士報酬には,戸籍謄本の取得報酬も含んでいます。
*実費として,収入印紙代・戸籍謄本代・切手代などが必要です。

(1)配偶者や子が相続放棄をする場合は,
①基本報酬2万円と②相続放棄者1人につき1万円を加算します(税抜き)。


(2)配偶者や子が相続から3ヵ月経過後に相続放棄をする場合は,
①基本報酬2万円と②相続放棄者1人につき2万円を加算します(税抜き)。


(3)兄弟姉妹が相続放棄する場合は,
①基本報酬3万円と②相続放棄者1人ごとに1万円を加算します。(税抜き)


<北海道内や札幌市内だけでなく,全国対応しております。>
当事務所(司法書士・行政書士・社会保険労務士)のHP 

http://ishihara-shihou-gyosei.com

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



相続人が,相続放棄をすれば,

被相続人のプラスの財産も承継しませんが,

マイナスの財産も承継しません。

したがって,被相続人の入院費も相続人としての地位においては,承継しません。

しかし,通常,病院側は入院時の契約において,保証人を要求しています。

子どもなどが,保証人になっていることが多いと思います。

この場合,相続放棄したので,相続人としては,入院費を支払う必要はありませんが,

保証人としての地位において,入院費を支払う必要があります。


つまり,入院費の保証人でもある相続人は,

相続放棄をしても,入院費の支払いは免れないことになります



2010年2月23日火曜日

包括遺贈2

包括遺贈を受けた人(包括受遺者)は,


被相続人の権利だけでなく,債務も承継します


権利と債務を総合的に考えて,遺贈された財産を一切承継したくなければ,


包括受遺者は,相続開始を知ったときから3ヵ月以内に


家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(包括受遺者の権利義務)

民法

第九百九十条  包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

2010年2月22日月曜日

包括遺贈

遺贈には,包括遺贈と特定遺贈があります。


包括遺贈とは,相続財産を割合的に遺贈することです。

(例)相続財産の10分の9をAさんに遺贈する,残りをBさんに遺贈する。


特定遺贈とは,特定の相続財産を遺贈することです。

(例)甲不動産をAさんに遺贈する。


*ただし,遺言の内容によっては,包括遺贈か特定遺贈か,判断できない場合があります。

その場合は,相続財産の実態を調査する必要があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

2010年2月11日木曜日

子のない夫婦の相続

子のいない夫婦は,

夫が亡くなった場合で,

夫の直系尊属(父母,祖父母)がいないときは,

妻と

夫の兄弟姉妹が相続人になります。

法定相続分は,

妻が4分の3,兄弟姉妹が4分の1です。

したがって,兄弟姉妹の協力がないと,相続手続が進みません。

そこで,夫が「妻に全相続財産を相続させる」との遺言をしておけば,

相続人は妻のみですので,

妻1人で,相続手続きをすればよいことになります(ただ,実務上は,兄弟姉妹の協力があった方が,スムーズに進みます。)。


*兄弟姉妹には遺留分がないので,妻に全財産を相続させることができます。


さて,今度はこの妻が亡くなったときのことですが,

夫は亡くなっているので,夫は相続人になりません(妻が再婚していた場合を除く。)。

つまり,妻の兄弟姉妹だけが相続人になります。

そうなると,夫の財産は,夫の兄弟姉妹にはまったく行かず,妻の兄弟姉妹に行くことになります。

妻の相続の際,夫の兄弟姉妹から,クレームがつくかもしれません。


妻も遺言書を作成し,

①妻の兄弟姉妹以外に,全部の相続財産を遺贈する。

②夫の兄弟姉妹にも配慮した内容にする。

ことを考えても良いかもしれません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

2010年2月10日水曜日

重婚的内縁の配偶者3

重婚的内縁の配偶者に,遺族厚生年金の受給権が認められなかった事例



(原則どおり,法律婚の配偶者に遺族厚生年金の受給権が認められた。)


事件番号 平成19(行ウ)11
事件名  年金不支給処分取消等請求事件
裁判年月日 平成21年02月09日
裁判所名・部  仙台地方裁判所 第2民事部


判示事項の要旨


死亡した年金受給権者の重婚的内縁の妻であった原告が,



社会保険庁長官に対し,厚生年金保険法に基づく遺族厚生年金の裁定等を求めたところ,



同長官が,原告が遺族厚生年金を受けることができる配偶者とは認められないなどとして,



これらを支給しない旨の処分をしたため,その取消しを求めた事案において,



年金受給権者と法律上の配偶者との婚姻関係が,実体を失って形骸化し,かつ,その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかったとまでいうことは困難であるとして,原告の請求を棄却した事例



最高裁判所HP

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=37337&hanreiKbn=03

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

2010年2月9日火曜日

重婚的内縁の配偶者2

重婚的内縁の配偶者は,



通常の内縁の配偶者と同様の保護を受けます。



ただし,法律婚の配偶者(戸籍上の配偶者)が存在することが,大きく異なります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

2010年2月7日日曜日

重婚的内縁の配偶者

重婚的内縁の配偶者は,


法律婚の配偶者に対して,法的保護が不利になっています



重婚的内縁の配偶者とは,


A男はB女と結婚しているが,


A男が,他の女性と結婚しているのと等しいような関係になることを重婚(的)といい,



重婚的内縁の配偶者とは,他の女性Cのことです。



(A女,B男,C男の場合もあります。)





日本は,一夫一婦制になっており,法律上,重婚は禁止されています。



したがって,既婚者は離婚しなければ,好きな相手と結婚できません。



しかし,何らかの原因により,離婚できない場合があります。



単に交際しているだけではなく,結婚しているのと等しい関係にある相手は,



法的に保護する必要があるということで,



重婚的内縁の配偶者という法的概念ができました。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

2010年2月2日火曜日

引きこもりの相続人と遺産分割




相続人の中に「引きこもり」の人がいた場合,



遺産分割協議ができません。



金融機関は,相続人全員の実印を押印した書面を提出しないと,



払戻しに応じないのが原則です。





したがって,遺言書(できれば,公正証書遺言)を作成し,



遺言執行者を指定しておくのが望ましいことになります。





遺言がない場合で,



引きこもりの相続人が遺産分割協議に応じないときは,



家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。



しかし,



引きこもりの相続人に対する,裁判書類の送達という問題をはじめ,



手続的に大変煩わしいことになります。





*遺言があっても,すべての問題に対処できるとはいえませんが,



遺言があった方が,煩雑な手続きを軽くできることは間違えありません。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/

法定相続分による相続登記4

(遺産分割協議の成立前において,)

相続人の中に,負債を抱えている人がいた場合,

その債権者が,その債務者である相続人に代位して,

法定相続分による相続登記をしたうえで,

債務者である相続人の法定相続分に対し,

差し押さえの登記をすることがあります。

その結果,遺産分割協議が煩雑化します。

(差押えを解除するには,債務者である相続人ではなく,差し押さえた債権者の同意が必要になるからです。)

*相続人の中に問題を抱えている人がいる場合は,

被相続人の生前中から,対策をしておきましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当事務所のHP http://ishihara-shihou-gyosei.com/