2012年9月25日火曜日

祭祀財産は差押禁止動産


下記の動産は,差押禁止動産ですので,強制執行の対象外になります。

①仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物

=仏像,位牌,神体,神具,仏具,仏壇,経典,墓石,書像,写真像等の礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物


 ②債務者に必要な系譜

=親族,恩人等の債務者と特殊な関係にある者の系譜 


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(差押禁止動産)


第百三十一条  次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。

(略)

八  仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物

九  債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類

(略)

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2012年9月15日土曜日

登記申請に関する調書判決と相続を証する書面の添付

登記研究774号136頁  カウンター相談236 参照


本件口頭弁論調書(判決)の正本を提供して,原告Xが不動産登記法第63条第1項の規定により確定判決による登記の申請をするには,

別途,被告Y以外に亡Aの相続人がいないことを証する情報として,戸籍謄本等を提供する必要があるとした事例。


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2012年9月3日月曜日

売買契約中に売主が死亡した場合の相続税の課税財産

土地等の売買契約中に売主に相続が開始した場合における相続税の課税財産は、相続開始後に相続人が当該売買契約を解除した場合であっても、売買残代金請求権とするのが相当であるとした事例


相続税の納税義務は、相続による財産を取得した時、すなわち、相続開始の時に成立するものと解される。

そして、相続により取得した財産の価額の合計額をもって相続税の課税価格とすることとされており、相続により取得した財産の価額は、原則として、当該財産の取得の時における時価によることとされていることから、相続開始後の当該財産に生じた事情は、制度の上の措置がなされている場合など、これを考慮すべき特段の事情と認められない限り考慮されないこととなる。

また、相続開始時に売買契約が締結されている土地等について、相続税の課税対象となる財産を判定するに当たっては、相続開始の時において、売買残代金請求権が確定的に被相続人に帰属していると認められるか否かの観点から判定するのが相当と解される。

そうすると、このようにして判定した相続税の課税対象となる財産について、相続開始後に何らかの事情が生じたとしても、相続開始の時において売買残代金請求権が確定的に被相続人に帰属していると認めることが不相当であるというべき特段の事情でない限り、その事情は考慮されるものではないと解される。

 本件売買契約の各当事者は、本件売買契約の実現に向け、本件売買契約書に定められた各条項を誠実に履行し、本件相続の開始時において、本件各土地建物の引渡予定日及び売買残代金の決済予定日の決定していたことが認められる。

このように、本件相続の開始時において、本件売買契約が履行されることが確実であると認められるような状況下にあっては、本件各土地建物の所有権が本件被相続人に残っているとしても、もはやその実質は本件売買契約に係る売買残代金請求権を確保するための機能を有するにすぎないものといえ、請求人らが相続した本件各土地建物は、独立して相続税の課税財産を構成しないというべきである。

そして、請求人らが本件相続の開始後に行った本件売買契約の解除は、本件被相続人から本件売買契約に係る契約上の地位を承継した請求人らの意思によるものであり、当該解除をもって、相続開始時において売買残代金請求権が確定的に被相続人に帰属していると認めることが不相当であるというべき特段の事情ということはできないから、本件相続の開始時において、売買残代金請求権は確定的に本件被相続人に帰属していると認めるのが相当である。

 そうすると、本件相続に係る相続税の課税財産とすべき財産は、本件売買契約に係る売買残代金請求権である。

平成21年9月16日裁決
裁決事例集 No.78 - 419頁

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