2013年11月8日金曜日

法定相続人よりも内縁の配偶者を優先した最高裁判例(交通事故)


内縁の妻は,内縁の夫の収入によって生計が維持されていたところ,

内縁の夫が交通事故で死亡したため,

国が自賠法七二条一項に基づき,

内縁の妻および法定相続人である上告人(内縁の夫の妹2名)に対して,それぞれ保障金を支払った。

法定相続人である上告人が,内縁の妻は被害者には当たらないとして,国に対して訴訟を提起した。


*内縁の妻は,法律婚の夫と死別後,内縁の夫と結婚式を挙げ,同居していたようです。


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裁判年月日 平成5年04月06日 最高裁判所第三小法廷 判決  民集 第47巻6号4505頁


判示事項

 一 内縁の配偶者と自動車損害賠償保障法七二条一項にいう「被害者」 
 
二 自動車損害賠償保障法七二条一項により死亡者の相続人に損害をてん補すべき場合に既に死亡者の内縁の配偶者が同条項によりてん補を受けた扶養利益の喪失に相当する額を死亡者の逸失利益の額から控除することの要否

裁判要旨

 一 内縁の配偶者は、自動車損害賠償保障法七二条一項にいう「被害者」に当たる。 
 
二 自動車損害賠償保障法七二条一項により死亡者の相続人に損害をてん補すべき場合において、既に死亡者の内縁の配偶者が同条項により扶養利益の喪失に相当する額のてん補を受けているときは、右てん補額は、相続人にてん補すべき死亡者の逸失利益の額からこれを控除すべきである。



最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=53372&hanreiKbn=02


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