2009年12月13日日曜日

遺産分割と詐害行為

遺産分割協議は、詐害行為取消権の対象になります。



(例)

相続人Aは,連帯保証債務を負っており,


債権者から借金の返済を要求されました。


相続人Aは,このままでは,現在居住している建物(相続財産)が,


債権者に差し押さえられてしまうと思い,


事情を知っている相続人BとCとの間で


当該建物につき,


相続人Aは,相続分なし,


相続人BとCが各相続分2分の1,


という遺産分割協議をしました。


その後,相続人Aは,自己破産しました。



上記の場合,債権者は,


当該遺産分割協議は,


債権者を害する行為(詐害行為)であるとして,


取り消すことができます。



実務上,詐害行為取消権は要件が複雑です。


債務者の行為が,明白に債権者を害する場合はともかく,


現実には,むしろグレーゾーンの場合が多く,


なかなか,判断が難しいようです。


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民法

(詐害行為取消権)
第四百二十四条  

 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
 前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。

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最高裁判所HP 平成11年06月11日 最高裁判所第二小法廷判決

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=25388&hanreiKbn=01


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