2015年9月3日木曜日

遺言の落とし穴





当事務所では,遺言の作成のお手伝いをしております。


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被相続人に配偶者がおらず,子も父母などの直系尊属もいないが,兄弟姉妹(甥姪)がいる場合は,


兄弟姉妹(甥姪)が相続人になります。


兄弟姉妹には遺留分がないので,被相続人が遺言書を作成すれば,原則として遺言書記載のとおりに相続財産を分配することができます。


したがって,地方自治体や公益法人などにすべての遺産を遺贈するという内容の遺言書を作成した場合は,兄弟姉妹の相続分はゼロということになります。




落とし穴は,兄弟姉妹は相続分はゼロですが,相続人であることに変わりがないということと,相続人でなければできない死後事務があるということです。




①債務については,遺言書の内容如何にかかわらず,相続人が相続することになります。したがって,プラスの財産はまったくもらえないのに,マイナスの財産だけは相続することになるため,相続放棄をしなければならない場合があります。




②死亡届は,届出人が法定されています。原則として相続人などの親族が届出人となります。孤独死などの変死の場合は,警察から相続人などの親族へ連絡が行くことになります。




③祭祀承継者として相続人ではない人を指定しておけばよいですが,指定がない場合は,相続人が祭祀承継者と判断される可能性がありますので,相続人にお墓の手続きをしてもらうことになるかもしれません。


相続財産はもらえないけど,迷惑はかけられるとなると,相続人である兄弟姉妹(甥姪)は,ふつうは怒るでしょう。一切協力してもらえないかもしれません。




つまり,相続人が一切協力してくれない場合は,死亡後の必要な手続きが滞留してしまうことが考えられます。最終的には行政がやってくれますが,手続が終了するまで一定期間が必要になります。


死後にひどい目にあうということは,あり得る話なのです。


やはり,遺言書で,迷惑料として相続人となる兄弟姉妹(甥姪)に一定の相続財産を相続させるべきではないでしょうか。


手続名死亡届
根 拠戸籍法第86条,第87条
対象 者親族,同居者,家主,地主,家屋管理人,土地管理人等,後見人,保佐人,補助人,任意後見人
時 期死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは,その事実を知った日から3か月以内)
方 法届書を作成し,死亡者の死亡地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場に届け出てください。