2010年10月24日日曜日

投資信託の相続

投資信託の受益権を共同相続した相続人の一部が,

投資信託の受益権は,金銭債権であり,可分債権だから,

相続開始と同時に,法律上当然に,

各共同相続人が,相続分に応じて分割して取得するとして,

証券会社にその支払いを求めた事案です。



福岡高等裁判所 平成22年2月17日判決(確定)によりますと,

①投資信託の受益権は,性質上不可分債権であること

②投資信託の解約請求や買戻請求は,投資信託の受益権の処分=共有物の変更に該当すること

③投資信託の約款に,単独での投資信託の解約請求や買戻請求を認める規定がないこと


以上から,

投資信託を相続した共同相続人の一部からの投資信託を解約し,

相続分に応じた解約金の支払いを認めませんでした。

つまり,本判決によると,投資信託については,共同相続人全員が同意しないと,

投資信託を解約し,解約金を請求できないということです。

*多くの証券会社は,上記判決のとおり,共同相続人全員の同意を必要としているようです。

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