2009年7月14日火曜日

祭祀主宰者


祭祀財産は,祭祀主宰者が 承継します。

祭祀主宰者決定の順番は,

被相続人の指定,

指定がない場合その地方の慣習

指定も慣習もない場合は,家庭裁判所の審判

被相続人が指定する場合,遺言はもちろん,生前において書面だけでなく口頭でも,明示だけでなく黙示にも指定できるとされています。
(祭祀主宰者の資格につき,法律上は制限はないので,相続人・親族関係・氏の同一性とは関係なく,祭祀主宰者を指定することができます。)

家庭裁判所が審判で決定する場合は,被相続人との身分関係・生活関係,祭祀主宰の意思や能力などに基づき総合的に判断されます(特に被相続人との関係を重視するようです)。

祭祀主宰者は,原則として一人です。

祭祀主宰者は,その地位を放棄することができません。
しかし,祭祀を行う義務を負うわけでもありません。(祭祀を行う権利はある。しかし,義務はない。)

祭祀主宰者になったからといって,相続分を増やしてもらうことはできません。遺言により相続分が指定されている場合や遺産分割協議によって定めた場合を除いて,相続分は法定相続分によります。

なお,相続放棄した者も祭祀承継者になることができます。祭祀財産と相続財産は,別の財産であるとされているからです。

祭祀主宰者となった,夫(妻)が離婚により復氏した場合,養子が離縁により復氏した場合は,祭祀財産の承継者を「改めて」定めることになります。