2009年7月26日日曜日

遺言書の発見

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相続が発生した場合,遺言書の保管者はもちろん,遺言書を発見した相続人についても,

なるべく早く,家庭裁判所に遺言書を提出する必要があります(「検認」といいます。)。

*ただし,家庭裁判所に対する検認手続きは,公正証書遺言の場合は不要です。

 (つまり,自筆証書遺言の場合は必要になります。)

 結局,家庭裁判所に対する検認手続きが必要になると,その分だけ,遺言執行(遺言内容の実現)を開始するのに時間がかかることになります。

 遺言書を発見した相続人が,家庭裁判所に対して検認手続きをすることなく,
遺言書を破棄,隠匿,偽造などをした場合,

 ①裁判所から,5万円以下の過料の制裁を受ける可能性(民法1005条)

 ②相続人の欠格事由に該当し,相続人の地位を失い,相続財産を取得できない可能性(民法891条)
 
  があります。

 明らかに,被相続人の遺言書だと認識できた場合は,開封することなく,家庭裁判所に遺言書を提出してください。
 よく分からず,開封してしまい,遺言書に気づく場合もあります。その場合も,家庭裁判所に提出してください。
 遺言書を読んで,自分に不利な遺言内容だからといって,破棄・隠匿・偽造すると相続欠格事由になります。そのような行為は,止めてください

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(遺言書の検認)
民法 第千四条  
 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

(過料)
第千五条  前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。

(相続人の欠格事由)
第八百九十一条  次に掲げる者は、相続人となることができない
 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者