2009年8月19日水曜日

相続人の廃除

遺留分を有する相続人(つまり,兄弟姉妹・甥姪の相続人は除かれます。)が,

被相続人に対して虐待,重大な侮辱をしたとき,

相続人に著しい非行があったときは,

被相続人は,家庭裁判所に対し,その相続人の廃除を請求できます。

家庭裁判所の判断により,排除されることになった相続人は,相続人たる資格を失うので,

その被相続人の相続財産を取得することが来ません

遺留分を請求することもできません


ただし,その相続人に子ども(被相続人の孫)がいた場合は,その子どもが相続人になります。

つまり,その相続人を廃除しても,その子どもが相続人になるので,

排除した相続人の一族自体の相続権を奪うことはできません。


*なお,遺言により,相続人の廃除を求めることもできます。

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(推定相続人の廃除)

民法 第八百九十二条  
 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

(遺言による推定相続人の廃除)

民法 第八百九十三条  
 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

(推定相続人の廃除の取消し)

民法 第八百九十四条  
 被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
 前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。