2011年4月21日木曜日

生命保険に関する判例18

保険金受取人の指定と相続財産に関する判例

Aが養老保険につき,

被保険者をA,

保険金受取人は,保険期間満了の場合はA,被保険者死亡の場合は相続人,

との内容の保険契約をしていたところ,

Aは,相続人ではないBに対し,Aの所有財産の全部を包括遺贈しました。

その後,Aは死亡しましたが,

保険金受取人は,包括受遺者のBになるのか,Aの相続人になるのか,で争いになった事案です。

判決は,本件事案では,保険金受取人はAの相続人であると判断しました。
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事件番号 昭和36(オ)1028




事件名 保険金請求


裁判年月日 昭和40年02月02日


法廷名 最高裁判所第三小法廷  判決


 民集 第19巻1号1頁




判示事項


一 保険金受取人を「被保険者死亡の場合はその相続人」と指定したときの養老保険契約の性質。






二 前項の場合における保険金請求権の帰属。






裁判要旨


一 養老保険契約において被保険者死亡の場合の保険金受取人が単に「被保険者死亡の場合はその相続人」と指定されたときは、特段の事情のないかぎり、右契約は、被保険者死亡の時における相続人たるべき者を受取人として特に指定したいわゆる「他人のための保険契約」と解するのが相当である。






二 前項の場合には、当該保険金請求権は、保険契約の効力発生と同時に、右相続人たるべき者の固有財産となり、被保険者の遺産より離脱しているものと解すべきである。




最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=57731&hanreiKbn=01


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