2011年4月14日木曜日

生命保険に関する判例3

自殺と免責約款に関する判例

本判決は,原則として,約款の自殺免責期間経過後の自殺は,

自殺の動機,目的が保険金の取得にあることが認められるときであっても,免責の対象とはしないものと判断しました。



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事件番号 平成13(オ)734




事件名 保険金請求,債務不存在確認請求本訴,同反訴事件


裁判年月日 平成16年03月25日


法廷名 最高裁判所第一小法廷 判決


 民集 第58巻3号753頁




判示事項


1 生命保険契約において保険者の責任開始の日から1年内に被保険者が自殺した場合には死亡保険金を支払わない旨を定めている保険約款の解釈


2 債務の履行を求める反訴が提起されている場合における当該債務の不存在確認を求める訴えの確認の利益


3 保険金支払債務の履行を求める反訴が提起されたために債務者が提起した当該債務が存在しないことの確認を求める訴えが確認の利益がないとして却下された場合において当該確認訴訟に係る訴訟の総費用を債権者に負担させた事例






裁判要旨


 1 生命保険契約に係る保険約款中の保険者の責任開始の日から1年内に被保険者が自殺した場合には保険者は死亡保険金を支払わない旨の定めは,責任開始の日から1年経過後の被保険者の自殺による死亡については,当該自殺に関し犯罪行為等が介在し,当該自殺による死亡保険金の支払を認めることが公序良俗に違反するおそれがあるなどの特段の事情が認められない場合には,当該自殺の動機,目的が保険金の取得にあることが認められるときであっても,免責の対象とはしない趣旨と解すべきである。


2 債務者が債権者に対して提起した債務が存在しないことの確認を求める訴えは,当該債務の履行を求める反訴が提起されている場合には,確認の利益がない。


3 (省略)


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=57042&hanreiKbn=01


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