2011年4月21日木曜日

生命保険に関する判例15

生命保険契約に付加された特約の給付金と損益相殺に関する判例

被害者が加害者に対し直接請求する損害賠償金額が減少するのは,

損益相殺と保険代位は共通していますが,

損益相殺の場合,

加害者の損害賠償金額が全体として減少するのに対し,

保険代位の場合,

加害者は,被害者から請求されないが,代わりに保険会社から請求されるため,

加害者の損害賠償金額は全体として減少しません。

判決は,本件事案では,損益相殺も保険代位も否定し,被害者の損害賠償金額は減少しないとの判断をしました。


ーーーーーー事件番号 昭和54(オ)344




事件名 損害賠償


裁判年月日 昭和55年05月01日


法廷名 最高裁判所第一小法廷  判決


集民 第129号591頁




判示事項


生命保険契約に附加された特約による給付金と商法六六二条の適用の有無






裁判要旨


生命保険契約に附加された特約に基づいて被保険者である受傷者に給付される傷害保険金又は入院保険金については、商法六六二条所定の保険者の代位の制度の適用がなく、右受傷者が保険者から支払を受けた場合であつても、その限度で第三者に対する損害賠償請求権を失うものではない。


最高裁判所HP
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=64313&hanreiKbn=01


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