2010年11月5日金曜日

遺留分減殺請求12

遺留分減殺請求の対象となる贈与について,

受贈者が,

当該贈与に基づいて目的物の占有を取得し,

民法162条の取得時効の要件を満たし,

取得時効を援用した場合でも,

遺留分権利者の権利の帰属は妨げられません。

遺留分減殺請求の対象となる贈与は,

受贈者が相続人の場合は,

数十年前の贈与ということもあります。

遺留分は,相続人の最低の取り分ということで,

受贈者の時効取得の反論に勝つことができます。

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平成11年06月24日最高裁判所第一小法廷判決民集 第53巻5号918頁

判示事項
遺留分減殺の対象としての要件を満たす贈与に基づき目的物を占有した者の取得時効の援用と減殺請求による遺留分権利者への右目的物についての権利の帰属

裁判要旨
遺留分減殺の対象としての要件を満たす贈与を受けた者が、右贈与に基づいて目的物の占有を取得し、民法一六二条所定の期間、平穏かつ公然にこれを継続し、取得時効を援用したとしても、右贈与に対する減殺請求による遺留分権利者への右目的物についての権利の帰属は妨げられない。



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